土星の衛星「ミマス」の地下に、海が広がっている可能性
映画『スター・ウォーズ』のデス・スターに似ている、土星の衛星「ミマス」。その地下に、海が広がっている可能性が示された。
自転と公転運動を再構築
フランス・パリ天文台の天文学者らは、NASAのカッシーニ計画で撮影された数千枚の画像を分析。「ミマス(Mimas)」の正確な自転と公転運動を、再構築したという。
その結果、「ミマス」が現在のように移動するには、隠された地下海が必要であることが判明したそうだ。
研究者らの計算によると、「ミマス」の厚さ15マイル(約24km)の氷の下には、深さ45マイル(約72km)の海が潜んでおり、海底付近の温度は摂氏数十度に達しているという。
このため海は、「ミマス」の体積の半分以上を占めることになるそうだ。
表面に大きなクレーター
地下海を抱える衛星としては、土星の衛星「タイタン」と「エンケラドゥス」、木星の衛星「エウロパ」と「ガニメデ」が知られているが、今回のことが確認されれば、「ミマス」はそれらの衛星の仲間入りを果たすことになる。
「ミマス」は1789 年に、天文学者のウィリアム・ハーシェル氏によって発見され、その表面には「デス・スター」のような大きなクレーターがあるという。
このクレーターはその後、ハーシェル氏に因み、「ハーシェル・クレーター」と名付けられた。
「ミマス」の海は比較的若いと考えられ、過去2500万年の間に、土星によって及ぼされた強力な潮汐力が、ミマスの中心部を変形させ、温められて形成されたと考えられている。
パリ天文台の天文学者、ヴァレリー・レイニー氏は「『ミマス』には温かい岩と接触する水が含まれているため、そこに生命が存在する可能性は否定できない」と述べている。(了)
出典元:The Guardian:Saturn’s ‘Death Star’ moon has hidden ocean under its crust, say scientists(2/7)