【ノルウェー】ロシアとの国境付近で「セシウム137」を検知、通常より高いレベル
ノルウェーの国境付近では、放射性物質のセシウムが通常より高いレベルで検出され、謎が深まっている。
セシウム137を検出
「セシウム137」が検知されたのは9月9日から12日までの間、場所はノルウェー北部、ロシアとの国境近くの町、SvanhovdとViksjøfjellにあるエア・フィルター・センターだとされている。
Svanhovdのフィルター・センターでは、5μBq/m3 の「セシウム137」を検出。Viksjøfjellのフィルター・センターでも、同じ濃度(5μBq/m3)を測定したという。
ただしノルウェー放射線原子力安全局(DSA)は、エア・フィルターから検出されたセシウムの量は「非常に少ない」とし、緊急事態対策部門のBredo Møller氏も、心配していないそうだ。
人に危険をもたらすレベルではない
Møller氏によれば、セシウムのレベルは明らかに通常より高いが、人間や環境に危険をもたらすものではないという。
またDSAがフィルターを調査した際には、他の放射性同位体は発見されなかった。そしてロシア側で、同様の結果が得らたかどうかは、明らかになっていない。
ノルウェー北部やフィンランドのラップランドにある他のフィルターでは、過去1週間にセシウムは検出されていないそうだ。
まだ、原因については明らかになっていないが、今後数日間かけて、DSAがさらなる分析を実施する予定とされている。
原子炉の運転中に生み出される
そもそも「セシウム137」は、原子炉を運転する時に、核分裂生成物として生み出されるという。
そして「セシウム137」の少量の漏洩は、原子炉の起動中や保守中、または使用済み核燃料の取り扱い中に発生する可能性が高いそうだ。
またMøller氏によれば、1986年のチェルノブイリ事故による降下した放射性物資や、1962年以前の核実験の物質さえ、自然界では今でも測定できるという。
そして森林火災などで古い木が燃え、放射性物質が空気中に舞い上がり、風に乗って飛散する可能性もあるそうだ。
一方、ロシアのNovaya Zemlyaにある試験場では、「Burevestnik原子力巡航ミサイル」の実験が行われていた可能性もあるが、作業は極秘であり、実験が行われたとする公式の報告もないと言われている。(了)
出典元:Barents Observer:Traces of radioactive Cesium-137 measured along Norway’s border with Russia(9/17)