「イスラエルはガザで民族浄化をしようとしている」国連事務総長が発言
国連のグテーレス事務総長は、英紙「ガーディアン」に対し、イスラエルがガザ地区で「民族浄化」を実行する可能性があると警告した。
国際社会の強い決意がなければ…
グテーレス事務総長によれば、イスラエルの意図は、パレスチナ人がガザ地区から離れ、他の人間(イスラエルの入植者)に、そこを占拠させることかもしれないという。
その上で「私たちは、パレスチナ人がそこに留まれるようにし、民族浄化を避けるために、あらゆる全てのことを行うつもりだ」と発言。「もし国際社会の強い決意がなければ、民族浄化が起こるかもしれない」と警告した。
イスラエル軍は、ガザ地区からパレスチナ人を強制的に追い出そうとしていることを否定しているが、ヨルダンのAyman Safadi外相は先週、アメリカのブリンケン国務長官との会談の中で、「すでにガザ地区では民族浄化が始まっている」と発言した。
国連加盟国としての資格停止を要請
10月29日、ガザ地区北部のベイト・ラヒヤでは、イスラエル軍の空爆により5階建てのマンションが破壊され、すでに93人が死亡した。
この攻撃に対しては、国際社会から強い非難が寄せられ、アメリカ政府は、この攻撃について「恐ろしい結果を招いた、恐ろしい事件だ」と発言。フランスの外務省も「ここでの空爆と、北部の病院への攻撃を非難する」と声明を発表し、「ガザ地区北部の包囲は、直ちに終えなければならない」と述べた。
またイスラエル軍はガザ地区への支援物資の搬入も妨げており、国連人道問題調整事務所(OCHA)によれば、ガザ地区全体で10月の食糧配給が非常に限られており、人口の80%に当たる170万人が配給を受けていないという。
そんな中、国連の特別報告者は10月30日、度重なる国際法違反により、イスラエルの国連加盟資格停止を求めた。特別報告者のフランチェスカ・アルバネーゼ氏は記者会見で、次のように述べた。
「イスラエルに認められた免責が、連続して国際法の違反者になることを許したと確信している。イスラエルが国際法違反をやめ、明らかに違法な(ガザ地区の)占領を撤回するまで、国連加盟国としてのイスラエルの資格停止を検討するよう総会に勧告する。イスラエルは、大イスラエルの実現を目指して、占領下のパレスチナ領土におけるパレスチナ人のアイデンティティを、物理的または精神的に消滅させようとしている」
“20,000 missing children in Gaza — some maimed beyond recognition.
On top of the 17,000 killed in 12 months.
We call it genocide because it is genocide.”
—UN Special Rapporteur, Francesca Albanese pic.twitter.com/NvcNmaccSr
— sarah (@sahouraxo) October 30, 2024
レバノンで19人が死亡
一方、イスラエル軍はレバノンにも空爆を続けており、10月30日にはレバノン北東部の町、Baalbek地域から退去するよう、住民に警告したという。
その後、この地域でイスラエル軍の激しい空爆が行われ、女性8人を含む少なくとも19人が死亡した。(了)
出典元:The Guardian:World must act to prevent ‘ethnic cleansing’ of Gaza, António Guterres warns(10/30)