トランプ大統領、親パレスチナの抗議活動に参加した外国人や学生のビザを停止
アメリカのトランプ大統領は1月29日、反ユダヤ主義と闘うとする大統領令に署名した。
抗議活動に参加した外国人や学生を追放
その大統領令によれば、今後、司法省は「テロの脅迫、放火、破壊行為、米国ユダヤ人に対する暴力」を訴追し、「大学キャンパスや路上での反ユダヤ主義の暴動と戦うために、連邦政府の資源を総動員し、即時行動する」という。
トランプ大統領は、大統領令において、次のように述べている。
「親ジハード派の抗議活動に参加した、全ての在留外国人に警告する。2025年になれば、我々はあなたたちを見つけ出し、国外追放する。私はまた、かつてないほど過激主義に侵された大学のキャンパスにいる、ハマス支持者の学生ビザを直ちに取り消す」
反ユダヤ、イスラム嫌悪の事件も増加
イスラム組織「ハマス」の越境攻撃と、それに続くイスラエル軍のガザ地区への攻撃は、アメリカ各地の大学で親パレスチナ抗議運動につながり、人権団体は反ユダヤ主義や反アラブ主義、イスラム嫌悪の事件の増加を記録しているという。
大統領令では、親パレスチナのデモ参加者が、破壊行為や脅迫行為に関与し、ユダヤ人学生の授業出席を妨害し、シナゴーグの礼拝者を襲撃し、アメリカの記念碑や像を破壊した、と指摘しているそうだ。
しかし多くの親パレスチナのデモ参加者は、「ハマス」への支持や、反ユダヤ的行為への関与を否定。4万7000人以上が死亡した、ガザ地区に対するイスラエル軍の攻撃に抗議していると主張している。
イスラム教の大規模擁護団体である「アメリカ・イスラム関係評議会」は、トランプ政権が「反ユダヤ主義との戦いを装って、言論の自由とパレスチナ人の人権を侵害している」と非難。1月29日の大統領令は「不誠実で、範囲が広すぎ、執行不可能」だと述べている。
ガザ地区では「ハマス」が2月1日、3人の人質を解放する予定で、イスラエル側も刑務所に収監されていた183人のパレスチナ人を釈放するとしている。(了)
出典元:Straitstimes:Trump administration to cancel student visas of pro-Palestinian protesters(1/30)