インド政府、パキスタンが停戦違反し、攻撃を続けたと非難

インドとパキスタンは、アメリカ政府の仲介で停戦に合意したが、依然情勢が不透明となっている。
停戦合意後に違反の可能性
インドとパキスタンは5月10日、完全かつ即時の停戦に合意。停戦を仲介したアメリカのルビオ国務長官は声明で、「モディ首相(インド)とシャリフ首相(パキスタン)が平和への道を選んだ賢明さ、慎重さ、そして政治手腕を称賛します」と述べた。
パキスタンのシャリフ首相も10日、停戦に向けたトランプ大統領の「リーダーシップと積極的な役割」に感謝の意を表し、「この地域を悩ませてきた問題解決に向けた、新たな始まりとなる」と述べたという。
インドのミスリ外相も記者会見を開き、停戦合意が成立したことを確認したが、パキスタンが10日の夜に停戦違反したと非難したという。
インド側がパキスタンを非難
インド政府は10日の早朝、記者会見で、停戦後にパキスタン軍がインド全土26カ所を攻撃し、部隊を「前線地域」へ移動させ始めたと主張。
インドが支配するジャンム・カシミール州のオマル・アブドラ州首相も、最大の都市シュリーナガルで爆発音が聞こえたとし、「停戦などありません。シュリーナガル中心部の防空部隊が発砲したのです」と投稿したそうだ。
インドのミスリ外相も、10日の記者会見で次のように述べ、非難した。
「これまで何度も申し上げてきたように、パキスタンの行動こそが挑発行為であり、エスカレーションを構成している。インドはパキスタン側によるこうした挑発行為とエスカレーションに対し、責任ある慎重な対応と防衛を行ってきた。今朝も、こうしたエスカレーションと挑発行為のパターンが繰り返された」
SNS上で偽情報が飛び交う
また今回の戦争では、さまざまな偽情報が飛び交い、インド空軍のシン司令官によれば、パキスタン側が、インド軍のS-400対空システムの破壊や、複数の飛行場、軍事基地への攻撃、砲台や弾薬庫の破壊を主張しているという。
しかしこれらは偽情報であり、インドのシン司令官は、SNS上で拡散されているパキスタン側の主張を断固、否定すると述べたという。
インドとパキスタンはここ数日間、国境を越えた銃撃戦と攻撃を交わしており、双方で民間人の死傷者が報告されている。(了)
出典元:ABC News:India accuses Pakistan of violating ceasefire, says it will respond(5/11)