イスラエル軍によるガザ地区占領計画に対し、各国が反発

イスラエルのネタニヤフ首相が、ガザ地区の全てをコントロール下に置くと発言したことを受け、各国が反対の意思を表明した。
ガザ市の住民を強制移住
イスラエルのネタニヤフ首相は8月7日、ガザ地区の全てを支配下に置くと宣言し、まずは北部のガザ市の住民を中部へ強制移住させる計画が明らかにされた。
すでにこの計画については、イスラエル政府の内閣において承認され、カッツ国防相も8月8日、この決定に対して軍は準備ができていると述べた。
しかしこの計画に対し、パレスチナ自治政府の国連代表は、完全に国際社会の意志に反しており、国際法違反であると非難。世論調査でも、イスラエル国内の人々の意志にも反していると指摘した。
その上でイスラエル軍がガザ市や全域をコントロール下に置くことを止めさせるのは、国際社会の義務だと訴えた。
ヨーロッパ各国も批判
フランス政府も、このようなイスラエルの行動は、さらなる深刻な国際法の違反になると批判。
カナダのカーニー首相も、イスラエルの計画は間違っていると指摘し、ガザ地区に残されている人質の生命に、重大なリスクをもたらすと警告した。
またドイツは、この計画に反発し、イスラエルへの全ての軍事装備品の輸出を中止すると明らかにした。
他にも複数のヨーロッパの国々やEU議会、さらに中国もイスラエルの計画を批判。イラン政府も、イスラエルの計画は、シオニスト政権がガザ地区で民族浄化を行い、ジェノサイドを行おうとする、明確な印だと非難した。
国連のグテーレス事務総長も、イスラエルの動きは危険なエスカレーションであり、パレスチナの人々にとって破滅的な結果をもたらすことになると警告した。
ソマリランドが受け入れに前向き
一方、イスラエルを支持しているアメリカのトランプ大統領は、ガザ地区の人々の受け入れについて、東アフリカのソマリランド共和国が、独立の承認と引き換えに、前向きの姿勢を示していると明らかにした。
またトランプ氏は、ガザ地区に住むパレスチナ人を移住させることを、現在進めているとも述べた。
トランプ氏は今年の2月、パレスチナ人を第三国に移住させ、ガザ地区をアメリカが所有し、中東の「リビエラ」にするとの考えを示した。
しかしこの計画について、多くのパレスチナ人は拒否しており、人権団体なども、これは民族浄化に繋がり、国際法違反であると非難している。
ガザ地区の保健当局によれば8月8日も、イスラエル軍の攻撃により36人のパレスチナ人が殺害され、そのうち21人が配給所付近で殺されたという。
また8月8日には過去24時間で、さらに4人が飢餓や栄養失調で死亡し、これまでに飢餓関連で死亡した人は98人の子供を含む、201人になったと明らかにした。(了)
出典元:Aljazeera:LIVE: Palestinians in Gaza City refuse to leave homes amid Israeli takeover(8/8)