アルバニアでAI大臣が誕生、汚職対策担当に任命される

南ヨーロッパのバルカン半島に位置するアルバニアで、AIの大臣が誕生した。
伝統的な民族衣装をまとった女性のAI
アルバニアのエディ・ラマ首相は9月11日、AI(人工知能)が生成した「大臣」を汚職対策担当として任命したという。
その「AI大臣」の名前は「ディエラ(Diella)」と呼ばれ、意味はアルバニア語で「太陽」とされ、伝統的な民族衣装をまとった女性として画面に登場した。
ラマ首相は、彼女を「物理的に存在していない閣僚」と紹介し、「公共入札が、100%汚職のない状態になることを保証する」と説明したという。
🇦🇱 Here’s Diella, the new virtual AI Minister in Albania’s government. pic.twitter.com/3HwRnM9sWK
— kos_data (@kos_data) September 11, 2025
EU加盟には汚職払拭が鍵
人口280万人のアルバニアは、EU加盟を目指していたが、長年にわたり入札の過程が汚職の温床となってきたと言われている。
EUの加盟には、汚職を払しょくする必要があり、アルバニアにとってはそれが重要な課題になってきたという。
ただ最近4期目の当選を果たしたラマ首相率いる社会党は、交渉が2027年までに完了すれば、アルバニアのEU加盟は5年で実現できると述べている。
野党は「違憲」だと反発
国会議員は間もなくラマ首相の新内閣の人事について投票を行う予定だが、ラマ首相が「ディエラ」の仮想閣僚ポストについて信任投票を求めるかどうかは明らかになっていない。
法律の専門家は、「ディエラ」の正式な地位を確立するには、さらなる作業が必要になるかもしれないと述べている。
一方、野党・民主党議員団のガズメンド・バルディ氏は、「ディエラ」の大臣としての地位は違憲だと述べたという。
ラマ首相は、「ディエラ」氏に対する人間による監視体制の詳細や、誰かがこのAIを操作できるリスクについて言及していない。
そのため、あるFacebookユーザーは「アルバニアでは、ディエラ氏でさえ腐敗するだろう」と投稿。別のユーザーも「窃盗(汚職)は続くだろうし、ディエラが非難されるだろう」と述べている。(了)
出典元:Aljazeera:Albania appoints AI bot ‘minister’ to fight corruption in world first(9/12)