トランプ大統領、自分に「批判的な」テレビ局のライセンスを剥奪すると発言

アメリカのトランプ大統領は9月18日、自身を「批判的に」報道するテレビ局は政府から罰せられる可能性があると発言した。
人気番組の放送中止を受けて発言
ウォルト・ディズニー傘下のABCテレビは9月17日、ジミー・キンメル氏が司会を務める深夜のトーク番組「ジミー・キンメル・ライブ」の放送を無期限に中止すると発表した。
トランプ大統領は18日、イギリス公式訪問からアメリカへ戻る「エアフォースワン」の機内で、ABCテレビがキンメル氏を出演停止処分にしたことを支持。
さらに記者団に対し、自身を「否定的に」報道するテレビ局は政府から罰せられる可能性があるとし、次のように述べた。
「彼ら(アメリカの主要なテレビ局)は、私の悪い報道しかしない。つまり、彼らは免許(ライセンス)を取得しているが、私は免許が剥奪されるべきだと思う」
連邦通信委員長が不快感を示す
大手メディアに対しては、トランプ政権から圧力がかかっているとみられ、さまざまな番組で司会者やアナリストらが放送局により解雇されている。
今回、キンメル氏は、極右インフルエンサーのチャーリー・カーク氏の殺害事件について言及し、「MAGAの連中は、チャーリー・カークを殺害したこの少年を、自分たちの仲間ではないと印象付けようと必死で、そこから政治的な利益を得るためにあらゆる手段を講じている」と発言した。
そして1日以内に、FCC(連邦通信委員会)のブレンダン・カー委員長は、この発言を「本当にひどい」と非難し、ABCテレビが規制措置に直面する可能性があると示唆したという。
またABCテレビの系列局を所有する「ネクスター・メディア・グループ」も17日、「キンメル氏のコメントは不快で無神経」との見解を示し、当面は番組を差し替えると発表。その後、キンメル氏の番組が無期限に放送中止になったという。
I support Jimmy Kimmel 100%
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— TheFrenchie (@ML3democrats) September 18, 2025
テレビ局への抗議が行われる
しかし、この人気番組の停止を受け、ABCの親会社であるディズニーや、キンメル氏の番組放送を拒否している他の大手メディア企業に対する、ボイコットの呼びかけが相次いでいる。
全米脚本家組合の組合員は9月18日、ロサンゼルスのディズニー/ABCビルの前でキンメル氏の番組放送停止に抗議し、声明を発表。次のように述べた。
「自分の考えを表明し、互いに意見の相違を表明する権利、さらには妨害する権利は、自由な人々であることの核心です。暴力によっても、政府権力の乱用によっても、企業の卑怯な行為によっても、この権利は否定されるべきではありません」
Here’s the scene at the Jimmy Kimmel protest at ABC/Disney today. pic.twitter.com/yMrE26TkdZ
— Katie Kilkenny (@katiekilkenny7) September 18, 2025
権力者が自分に対して批判的なメディアに圧力をかけ続けることは、明らかな言論弾圧と言えるだろう。(了)
出典元:The Guardian:Trump suggests punishing TV networks for ‘negative’ coverage amid outrage over Kimmel suspension(9/18)