小型の小惑星が秘かに地球へ接近していた、科学者らも気づかず

先週、地球に小型の小惑星が接近していたのだが、科学者らもデータを見るまで気づかなかったようだ。
地球から428km離れた地点を通過
欧州宇宙機関(ESA)が発表したデータによると、この小惑星は、9月30日(火)東部夏時間午後8時47分(グリニッジ標準時10月1日(水)午前0時47分)に地球に接近していたという。
小惑星は、キリンほどの大きさで、南極の上空、地球からわずか428km離れた地点を通過したそうだ。
この秘かに地球に接近した小惑星は、正式名称「2025 TF」とされ、天文学者らはNASAの地球近傍天体追跡ミッション「カタリナ・スカイ・サーベイ」の観測データを用いて、通過してから数時間後に気づいたという。

国際宇宙ステーションとほぼ同じ高度
ESAによると、この小惑星は幅が推定1~3mで、地球に落下しても深刻な脅威を与えることはなく、大気圏に到達していたら、明るい火の玉となって燃え尽きていた可能性が高いという。
しかし今回の小惑星は、国際宇宙ステーション(ISS)が通常周回している高度と、ほぼ同じ高さを通過したそうだ。
幸い、進路上に宇宙ステーションや衛星などは存在しなかったが、小さな小惑星でさえ、大きな問題を引き起こす可能性がある。
NASAやESAなどは、数千もの地球近傍天体を追跡しており、地球に衝突するリスクが最も高い天体を注意深く監視している。
現時点では、少なくとも今後100年間、地球に重大な脅威を与える可能性のある天体は存在していない。
小惑星が「潜在的に危険」とみなされるためには、直径が少なくとも約140m、地球から748万km以内の軌道を周回している必要があり、これは地球と月の平均距離の約20倍に相当するという。(了)
出典元:Livescience:Sneaky asteroid zooms past Antarctica closer than a satellite — and astronomers didn’t catch it until hours after(10/6)