MLBのワールドシリーズで流れたレーガン元大統領のCM、トランプ氏がカナダに追加関税

先日、カナダのトロントで行われたMLBのワールドシリーズの試合で、アメリカのロナルド・レーガン元大統領のCMが流され、トランプ大統領がカナダに追加関税を課した。
ワールドシリーズ第1戦で流されたCM
10月24日、カナダ・オンタリオ州のトロントにある「ロジャースセンター」で、MLBのワールドシリーズ第1戦が行われ、「ドジャース」と「ブルージェイズ」が対戦した。
その際、スタジアム内には、レーガン元大統領の演説を引用したテレビCMが流されたという。
そのCMは、レーガン元大統領が1987年、日本製品に一部関税を課した際に行った演説の、抜粋された音声が使用されていたそうだ。
その演説では、自由貿易の重要性を説き、高関税がもたらすアメリカへの長期的な経済リスクと貿易戦争の脅威について警告を発していた。
そしてカナダのCMでも、レーガン元大統領の「長期的には、このような貿易障壁(関税)は全てのアメリカ人、労働者、そして消費者に損害を与える」といった言葉が強調されていた。
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CMが流されたことで10%の追加関税
しかしトランプ大統領は10月25日、このCMがスタジアムで流されたことを理由に、その後カナダからの輸入品に10%の追加関税を課すと発表。次のようにSNSにも投稿した。
「カナダによる重大な事実誤認と敵対行為のため、カナダに対する関税を現在の関税に10%上乗せする」
またトランプ大統領は、この動画がAIか何かによって作られていたとし、レーガン元大統領は関税を好んでいたと主張。しかしCMで流れた内容は、実際にレーガン元大統領が語った言葉だった。
実はこのCMは今月の初めにテレビで放映されており、それを理由にトランプ氏は先週初め、カナダとの貿易交渉を停止すると表明していた。
すでにトランプ政権は、全てのカナダ製品に35%の関税を課しているが、大半は既存の自由貿易協定に基づき免除されていたという。
また金属には50%、自動車には25%など、特定の分野に特化した関税もカナダ製品に課している。
ただし関税は、アメリカへ輸出する海外企業ではなく、外国製品を輸入するアメリカ企業が負担するものになり、レーガン元大統領の言う通り、最終的にはアメリカ国民が損害を被ることになる。(了)
出典元:ABC News:Trump raises tariffs on Canada 10% after Reagan ad airs during World Series(10/26)
出典元:BBC:Trump raises tariffs on Canadian goods over Reagan advert(10/26)


























