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米最高裁がトランプ関税に懐疑的、株式市場は高値で取引終了

米最高裁がトランプ関税に懐疑的、株式市場は高値で取引終了
X_Wes Jordan

アメリカの株式市場は11月5日、株価が上昇して取引を終了したが、この原因は最高裁判所のトランプ関税に対する見方にあると考えられている。

 

大統領権限の合法性を巡り審理

 

最高裁判所の保守派判事らは5日、トランプ大統領の関税の合法性に、懐疑的な見解を示したという。

 

この結果、ダウ工業株30種平均は225ポイント(0.4%)上昇し、S&P500も0.3%上昇。ハイテク株中心のナスダック総合指数も0.6%上昇し、5日の取引を終えた。

 

トランプ大統領はここ数カ月、国際緊急経済権限法(IEEPA)に基づく権限行使を行い、各国に対し関税を段階的に引き上げてきたが、その合法性を巡り、5日から最高裁で審理が行われている。

 

IEEPAに基づくトランプ関税に懐疑的

 

国際緊急経済権限法(IEEPA)とは、国家の非常事態において、大統領に経済的手段で外国との取引を制限・禁止する権限を与えるもの。

 

そしてトランプ氏は、議会を通さずに、IEEPAを用いて関税を設定した初の大統領とされ、その決定が違法であるとの訴訟が提起されていた。

 

5日に行われた最高裁での審理では、保守派の判事もIEEPAに基づくトランプ大統領の関税権限に懐疑的な姿勢を示し、政府のジョン・ザウアー訟務長官に対して、正当性を説明するよう求めたという。

 

トランプ大統領は、この関税により数十億ドルもの利益を得たと自慢していたが、ザウアー訟務長官は判事に対し、関税は「規制」の側面を持ち、利益は付随的なものだと説明したそうだ。

 

トランプ氏は他の法律での対処も検討

 

一部のエコノミストは、例え最高裁が関税の権限について違法の判決を下したとしても、アメリカ経済の規模、そしてトランプ政権が他の法的権限に基づいて関税を課す計画があることから、インフレや金利には、ほとんど影響を与えないと考えているという。

 

実際、トランプ大統領には、1974年の通商法に基づき、特定分野に対し、最長150日間15%の関税を課す権限が依然としてあるそうだ。この法律は、大統領が他国との貿易格差に対処することを可能にするものとされている。

 

しかし、トランプ関税はインフレの上昇と雇用の減速と重なり、「スタグフレーション」と呼ばれる経済の二重苦のリスクをもたらすとも言われている。

 

そして「ABCニュース」や「ワシントン・ポスト」「イプソス」が実施した世論調査でも、ほとんどのアメリカ人が物価の上昇により、食料品や公共料金への支出が増えており、関税はインフレや経済、そして自身の財政状況に悪影響を及ぼしていると回答したという。(了)

 

出典元:ABC News:Stocks close higher after Trump tariffs encounter skeptical Supreme Court(11/6)

出典元:ABC News:Majority of Americans say tariffs hurt their family’s financial situation, are spending more on groceries and utilities: Poll(11/4)

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