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mRNAの治療により、癌や病気と闘う力が高まる可能性

mRNAの治療により、癌や病気と闘う力が高まる可能性
flickr_Dr Partha Sarathi Sahana

マウスを用いた研究で、メッセンジャーRNA(mRNA)が、感染症や癌と闘う力を高める可能性が示唆された。

 

mRNAの注入でT細胞が増加

 

アメリカの研究チームは、まず高齢のマウスのT細胞を研究し、加齢とともに減少して老化プロセスに寄与すると考えられる、3つのタンパク質を特定したという。

 

次に研究者たちは、これら3つのタンパク質のmRNAを生成し、小さな脂肪の粒子で包み、生後約16カ月の中年のマウスに注入した。

 

その結果、mRNAを投与されたマウスは、投与されなかったマウスよりも多くのT細胞を生成。また実験では、投与されたマウスのT細胞が、ワクチン接種や癌免疫療法への反応が良好であることも示唆されたという。

 

mRNAは週に2回、マウスに投与されたが、注入を中止するとすぐに治療の効果が消失したそうだ。これはmRNA分子が、体内で非常に速く分解されるためと考えられている。

 

老化と共にT細胞の活動が低下

 

そもそもmRNAは、DNAからの遺伝情報を細胞に伝え、新しいタンパク質が作られる時の鋳型として機能するなど、様々な役割を担っている。

 

またT細胞は人間の免疫システムにおいて重要な役割を果たし、外部から体内に侵入してくるウイルスや細菌などの異物を認識し、攻撃・排除する役割を果たす。

 

ただ体が老化するにつれて、これらのT細胞の活動は低下し、病気と闘う免疫細胞を助ける力が弱まってしまう。

 

特に、T細胞が成熟する場所である胸腺は、加齢とともに萎縮し始め、これによりワクチン治療や、免疫力を高める癌治療が、高齢者では若年者ほど効果がない、とも考えられてきた。

 

無論、今回はマウスによる実験のため、同じアプローチが人間にも有効かどうかを確認するには、さらなる研究が必要となる。

 

また研究者は、特に高齢者において、mRNA注入の長期的な影響については、広範な「長期安全性試験」を通じて分析する必要がある、との見方も示している。(了)

 

出典元:Livescience:An experimental mRNA treatment counters immune cell aging in mice(1/2)

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