海外掲示板で語られた東京医科大学の女子減点問題を生んだ日本社会について
東京都新宿区にある東京医科大学が、女子の受験者の点数を一律減点し、合格者数を抑えていたことが明らかになった問題は、日本以外でも議論を呼んでいる。BBCやCNN、New York Timesなどの大手メディアがこの問題を取り上げた。
8月2日には、大手海外掲示板のRedditに「東京医科大学がテストの点数を変更し、女性を締め出していた」というタイトルでスレッドが立てられ、4200件を超えるコメントが寄せられている。
海外の人々は、この問題を生んだ日本社会をどうとらえているのだろうか。
日本の女性差別に非難の声
東京医科大学が点数を変更していた理由は、理解しがたいもののようだ。「でも、どうして?」というコメントには、こんなリプライがつけられている。
言い訳としては、女性医師は結婚をして子供を産むと仕事を辞めてしまうからだって、Yomiuriに書いてあった。
The Dailyによると、緊急呼び出しや長いシフトが要求される大学病院は、男性医師が支えているっていう総意が大学にはあったそうだ。
つまりは馬鹿げた偏見だ。
悲しいことに、日本ではあらゆる分野で女性は偏見と向き合わなくてはいけない。キャリアが始まる前から終わっていることもあるよ。子供を産んだら必ず辞めるっていう先入観から出世しないこともよくあるんだ。
もし女性が子供よりも仕事を選んだら、ネガティブにとらえられるのに
日本の文化は性差別的だし、世界の他の国のようにフェミニズムは起こらない。ソースは日本人の両親。私も数年日本に住んでいた。
仕事に関することだけではなく、無痛分娩が一般的ではないことについても、「あんなに辛いのにどうして?」と議論を呼んでいた。また、「バイアグラはすぐに認められたのに、経口避妊薬の認可には永遠に時間がかかっている」という声もあった。
家族を持てない日本の労働環境
医師に限らず、日本の労働環境が“過酷”であることが、日本の少子化につながっているという声も多くあった。
日本には働く親をサポートする仕組みがないんだ。保育園の問題とかね。労働環境も厳しいし、両親が働いていたら、子供の生活はほとんど孤児と変わらなくなってしまう。だからって東京医科大学を正当化するわけではないよ。日本はこのニュースが語るのよりも、もっと大きな問題を抱えているんだ。
子供を持つなんて選択肢どころか、人々は恋愛をするのが難しいほど忙しんだ。仕事の時間を強制的に減らして、自由な時間を増やすことでこの問題は解決できるのにビジネス上の理由からやろうとしない。結果、日本の人口は減り続けている。
上司よりも先に退社できないし、彼らに飲みに誘われたら断れないしな。
日本の会社員は週に100時間以上働いている…
日本の「文字通り死ぬまで働け」文化の症状がでているようだね
女性にとって大変なわけではない。みんなにとって大変なんだ
日本:女性は子供を産むから出世させられない
こちらも日本:どうして若者は子供を産まないんだ??
日本の過酷な労働という文化を変えて、家族を持つという選択肢が考えられるようにするべきだ。それとも女性の夢を打ち砕いて医師にするのを止めるのが、家族を持ちたいと思わせる最高の手段だとでも?
また、「日本を訪れるのは大好きだけど、日本には決して住めない理由がこれ」という声もあった。世界からの厳しい視線が、日本社会に向けられている。(了)
出典元:Reddit「Tokyo medical school altered test scores to keep women out」
画像出典元:flickr:sergio santos