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米メキシコ国境間に麻薬密輸のための新たなトンネル発見、壁建設に疑問も

米メキシコ国境間に麻薬密輸のための新たなトンネル発見、壁建設に疑問も
Twitter / Policía Federal Mx

米国・メキシコの国境間で新たな麻薬密輸のためのトンネルが発見されていたことがわかり、トランプ大統領の“壁”を建設するという政策への疑問がさらに高まっている。

 

排水路の地下で発見されたトンネル

 

今回、新たなトンネルが発見されたのはメキシコ北西部に位置し、ソノラ州北部の米国国境沿いの都市ノガレス。

 

トンネルの長さは約10メートルほどで、メキシコから米国へと麻薬を密輸するために使用されていたと考えられている。

 

このような麻薬密輸のためのトンネルが発見されるのは、ここ1カ月ほどの間で3度目のことという。

 

またメキシコ警察はこのトンネルの発見にあたり、ツイッターに動画を投稿。

 

動画においてはノガレス中心地、地下排水路の底にあるマンホールを2人の警察官が開ける様子が映されており、トンネルがどのような場所で発見されたのかを見て取ることができる。

 

トランプ大統領の壁建設にさらなる疑問

 

一方、このようなトンネルの発見はトランプ大統領が求める米国とメキシコ国境間における“壁”建設の政策に対するさらなる疑問を招く結果となっている。

 

米国では“壁”建設のための予算を巡る紛糾により12月22日から政府機能が一部閉鎖されており、1カ月にも及ぶ史上最長となる政府機能の閉鎖は各方面で既に深刻な影響を与えている。

 

このような現状にありながらも、トランプ大統領側は数多くの麻薬が米国とメキシコ間の国境を越えて密輸されてきており、“もし我々が壁を建設すれば、この数字を劇的に減らすことが出来る!”との主張を続けている。

 

しかしヘロインをはじめとする麻薬の大半は合法的な通関手続きにおいて発見されるケースが増えており、“壁”の建設が麻薬密輸の減少へとつながるという主張に対しては疑問の声が上がっていた。

 

加えて今回相次いで発見されたトンネルの存在は、トランプ大統領の主張に対するさらなる疑問を招く結果となってしまっている。

 

増加するトンネルを利用した麻薬密輸

 

米国とメキシコ間の麻薬の密輸においては、近年トンネルを経由したケースが増加。

 

中でも物理的な壁やフェンスが設置されているメキシコ国境沿いのアリゾナ州とカリフォルニア州においてはトンネルを利用した密輸が増えており、アリゾナ州との国境沿いのメキシコ側の都市ノガレスでは多くのトンネルが発見されているという。

 

また今月には米国側のアリゾナ州においても、麻薬密輸のためのトンネルを発見。

 

全長180mほどにも及ぶこのトンネルは、メキシコ側のソノラ州サン・ルイス・リオ・コロラドへと続いており、またトンネルと共にその価値100万ドル(約1億1000万円)以上の麻薬も見つかっている。

 

トンネルは、以前ケンタッキー・フライド・チキンの店舗として使用され、現在は空き家となっている建物から、個人宅のベッドの下の隠し扉まで続いていたという。

 

全長800mのトンネルの発見も

 

一方、トンネルを利用した麻薬の密輸は今に始まったことではない。

 

米国麻薬取締局の調査によると、1990年から2016年3月までに発見された米国とメキシコ間のトンネルはその数224本にも及ぶという。

 

発見されたトンネルの中には、全長800メートルほどにも及び、照明や換気扇などの設備が完備されていたものまで存在するというから驚きだ。

 

 

米国とメキシコ間における“壁”の建設を巡り紛糾する米国。今回のトンネルの相次ぐ発見により、その行方はますます不透明になってきたといえそうだ。(了)

 

 

出典:USA TODAYAmid border wall debate, third drug tunnel found in less than a month along Arizona border (1/11)

出典:KGUNA drug tunnel between Arizona and Mexico was discovered under a former fast food Restaurant(1/13)

出典:産経ニュース:メキシコから米国への国境トンネル、摘発224本 DEA調査 壁建設の効果はある?(2017/3/12)

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