人類初の月面着陸を映したNASAのオリジナルビデオが競売に
1976年にNASAの放出品オークションで、インターン生が218ドル(約2万3500円)で買ったビデオテープ。その中に、人類初の月面着陸を記録したオリジナルビデオが含まれていることが分かった。
このテープは、サザビーズのオークションに出品されることになっており、予想落札価格は200万ドル(約2億1600万円)。
1,100本のテープに紛れ込んでいた
テープの売主であるGary Georgeさん(65才)は当時大学生で、インターンとして働いていたNASAの放出品セール(オークション)でリールに巻かれたタイプのビデオテープ、1,100本を買った。
海外メディアの取材を受けたGeorgeさんは、当時を振り返ってこう話している。
買ったテープに価値があるものが映っているとは、まったく思いもしませんでした。
テープは上書き録画すればまだ使えるので、テレビ局にでも売ろうと考えていたのです。
リールタイプのテープはプロ用で、当時それを使っているのはテレビ局くらいだった。実際にGeorgeさんは、1本50ドル(約5400円)で地元のテレビ局に数本売ったという。
その後、残りのテープは教会に寄付することにして、ワゴン車に積み込んでいる時、Goergeさんの父親が、リールに「Apollo 11 EVA」と書かれたテープを見つけた。
「EVA」とはNASAの内部で使われる略称で、Extra Vehicular Activity(宇宙船外活動)のこと。Apollo 11の宇宙船外活動といえば、人類初の月面着陸ということになる。
3本のテープに歴史的オリジナル映像が
海外メディアによれば、2006年にNASAは、月面着陸のオリジナルビデオを紛失したと公に認めているという。
Goergeさんは、リール式テープを再生する機械を持っていなかったため、例のテープに映っている映像を確認できなかったが、2008年にNASAの友人からテープ紛失の一件を聞き、NASAのビデオスタジオで確認してもらったところ、3本のテープがそれだった。
サザビーズによれば、それらのテープには有名な月面着陸の映像——ニール・アームストロング飛行士が月面に降り立つ瞬間や、あたりを飛び跳ねるバズ・オルドリン飛行士の姿、月面に星条旗が立てられる様子などが映っているとのこと。
オークションは7月20日に行われ、予想落札価格は3本セットで200万ドル(約2億1600万円)となっている。(了)
出典元:Mail Online:Only surviving original recording of man’s first steps on the moon is set to fetch $2million – decades after NASA sold them off for $218 at a government surplus auction(6/28)
出典元:Sotheby’s