ロシアのインスタグラマーが集まる美しい湖は、化学物質の廃棄場所だった!
ロシアのインスタグラマーたちの間で人気急上昇中のスポットがある。
ロシア中南部の都市ノヴォシビルスクに近い、「シベリアのモルジブ(Novosibirsk Maldives)」と呼ばれる湖だ。
この湖、ターコイズブルーの水や白い浜辺の風景はインド洋に浮かぶモルジブ諸島と同じなのだが、そこに自然の美しさはひとつもない。
石炭火力発電所の灰捨て場
湖の近くにはSiberian Generating Company(シベリア発電会社)の石炭火力発電所がある。実は、そこで燃やした石炭の灰を捨てるために作られた人工湖が、「シベリアのモルジブ」なのだ。
水の色が青いのは、灰に含まれるカルシウム塩や金属酸化物が溶けているせい。魅力的な景観とは裏腹に、人体にとって有害だ。発電会社は、ロシアのSNS「VKontakte」に、こんな警告文を投稿している。
我が社の灰廃棄所である「Novosibirsk TEZ-5」は、先週、ソーシャルメディアでスターになった。
しかし、そこで泳いではいけない。カルシウム塩と金属酸化物のせいで、水質が高アルカリ性になっている。この水が肌に触れると、アレルギー反応を起こす可能性がある!
また、湖底は柔らかい泥が積もってぬかるみのようになっているため、1度足をつくと、抜け出ることが「ほぼ不可能」だそう。
それでも集まるインスタグラマー
湖面には、発電所から延びた巨大パイプが突き出ているのが見えるという。海外メディアによれば、そこに「特殊灰廃棄エリア」と大きく書かれているとのこと。
それにもかかわらず、ここに写真を撮りにやってくるインスタグラマーは絶えない。
湖でセルフィーを撮っていたMarina Zheleznovaさんという女性は、ニュースメディアの取材を受けてこう話す。
湖が有害だというのは知っているし、水には入っていないわ。でも、みんながツアーのようにやって来て、湖畔でピクニックするのを止めることはできないわね。ある人なんか、禁止されてるにもかかわらず、水に入って泳いでいたし。
Leo Alexeyさんという別のインスタグラマーはこう言っている。
僕は湖に5回来ています。これからも来るつもりです。毎週末には来たいと思いますが、水には触りませんよ。
(了)
出典元:Odditycentral:The Siberian Maldives – An Alluring But Dangerous Tourist Attraction(7/11)
出典元:CNN:Instagrammers warned against swimming in toxic Siberian ‘Maldives’ lake(7/11)