カナダに実在する町「アスベスト」が来年名称を変更へ
カナダのある街が、イメージを変えるため名前を変更することになり、注目を集めている。
アスベストを採掘してきた街
その街とは東部のケベック州にある「アスベスト」だ。
ここは人口が7000人。かつては多くのアスベスト(石綿)を採掘しており、生産量は世界でも有数だったために、この名前が付けられたという。
そもそもアスベストとは、天然に産する繊維状けい酸塩鉱物で「せきめん」「いしわた」と呼ばれており、以前はビル等の建築工事において、保温断熱の目的で石綿を吹き付ける作業が行われていた。
しかしアスベストの繊維を吸引すると、肺線維症(じん肺)、悪性中皮腫の原因になるといわれ、肺がんを起こす可能性のあることが報告されている。
そのため今では日本も含めて多くの国々が、アスベストの使用・製造を禁止し、カナダでも昨年禁止が決まったそうだ。
名前のせいでビジネスの機会を失う
しかも「アスベスト」という名前のイメージによって、この街には投資が減るなど、多くのビジネスの機会を失ってきたという。
このため市は11月27日に、街の名前を変えることを宣言。来年には新しい名前が決まるそうだ。
町(村)長のHugues Grimard氏は、次のように語っている。
「アスベストに関しては、本当にネガティブな認識があります。この名前のために、この街で会社を設立したくないという企業が多く、私たちは多くのビジネスの機会を失ってきました」
「アスベスト」という街が実在することが驚きだが、名前が変われば、街の人もきっと喜ぶに違いない。(了)
出典元:FOX NEWS:Canadian town of Asbestos, Quebec, wants to change toxic name(11/29)