オーストリアで発生した雪崩、雪に5時間埋まっていた男性が奇跡的に生還
先日、オーストリアの山で大規模な雪崩が起きたが、そこで雪に埋まっていた男性が奇跡的に救助された。
捜索から2時間後に発見
25日、オーストリアのシュタイアーマルク州にあるPleschnitzzinken山で雪崩が発生し、スキーヤーが雪に飲まれた。
警察は17時(現地時間)前に、1人の男性から「(仲間または家族の)男性(26)がまだスキーから戻ってきていない」と連絡を受けたという。
そのため大規模な捜索が行われ、開始から約2時間後に男性は発見された。男性は5時間も完全に雪の中に埋まっていたそうだが、中にできた空洞内にいたとされている。
トランシーバーの信号を頼りに捜索
通報してきた男性によれば、最初仲間が持っていた携帯電話にかけてみたところ、何かが割れるようなノイズ音しか聞こえてこなかったという。
また捜索隊は、行方不明になった男性が身に着けていたトランシーバーから発せられる電磁信号をキャッチ。それを元に居場所を特定できたそうだ。
男性はその後、救出され搬送されたが、低体温症にかかっているものの、それ以外にケガはしていない。
「クリスマスの奇跡」と呼ばれる理由とは
男性が救出されたのは「クリスマスの奇跡だ」と呼ばれており、救助に当たったStyria山レスキューサービスのStefan Schröck氏も次のように述べている。
人は、このように雪に覆われてしまうと身動きできません。その男性は非常にラッキーでした。彼は雪の覆いの下にできた、充分大きなエアポケットの中にいたのです。だから彼には充分酸素がありましたし、呼吸もできたのです。
そもそも雪崩に巻き込まれ、15分以内に発見されなければ、生還の可能性は非常に低くなり、1時間を越えて生き延びるためには、酸素が必要になるという。
そのため雪崩で5時間以上も雪の下に埋もれて生還したという、このような例はアルプスでは20年間に1度くらいしかないとされている。(了)
出典元:BBC:Austria avalanche: Skier survives five hours in ‘Christmas miracle’(12/27)
出典元:DW:Austrian skier buried under avalanche for 5 hours survives(12/26)