ベルギーやオランダでも新型コロナの再感染を確認、50代の患者は軽い症状
ヨーロッパの一部の国で、新型コロナウイルスに再感染した患者の例が報告された。
強い抗体を作れなかった可能性
先日、香港では新型コロナに再感染した症例が報告されたが、オランダのメディア「NOS」も、同様の症例について伝えている。
番組が取材したウイルス学者のMarion Koopmans氏によれば、今回新型コロナの再感染が確認されたのは、ベルギーとオランダの患者1名ずつで、オランダの患者は免疫機能が低下した高齢者だったという。
一方、ベルギーの患者は50代の女性で、今年の3月に新型コロナに感染し、6月にも再び感染が確認されたそうだ。ただし当時も、軽い症状しか示していなかった。
ベルギーのウイルス学者であるMarc Van Ranst氏は「この患者が最初に感染した時に作られた抗体は、わずかに変異したウイルスからの感染を防ぐのに十分強くなかったことを示している」とし、「このため再感染しやすくなっていたのではないか」と述べている。
完全な免疫を持たずとも体が覚えている?
このベルギーやオランダの患者からのウイルスについては、専門家が遺伝子検査を行い、前回と今回のウイルスに違いがあることが確認されたという。
Koopmans氏によれば、長い間ウイルスに感染したままの状態の人は一般的で、大抵軽い症状を示しながらも突然、再燃することもあるという。また人がウイルスに対して完全な免疫を持たず、再感染したとしても、身体は以前の病気を覚えているそうだ。
そして抗体に加えてT細胞や、人間の免疫システムの他の機能が全て協力して、2度目の感染に立ち向かうという。これがベルギーの女性に起きたことではないか、と考えられている。
Ranst氏は「再感染が稀な現象なのか、それとも6カ月か7カ月経ったら再感染する人がより多くいるのかは、はっきり分かっていません」としながらも、「恐らく、6カ月後や9カ月後には、2回目に感染する人がもっといるのではないか」と述べている。
免疫力が残っていた可能性
同じく現在ジョージタウン大学にいる元米国食品医薬品局の主任科学者、ジェシー・グッドマン氏も、香港のケースについて触れながら、次のように述べている。
「再感染がある場合は、免疫力(残余免疫)が残っていた可能性があり、(再び病気になることから)患者を保護するのに役立った可能性がある」
実際、香港で再感染が確認された33歳の患者は、遺伝子配列の異なる新型コロナに感染していたが、症状は出ていなかったという。
このためロンドン大学衛生熱帯医学大学院のBrendan Wren教授(微生物学)は「再感染の症例は非常に珍しい例だ。そのためCOVID-19のワクチン開発に向けた世界的な努力を否定すべきではない」と語っている。(了)
出典元:DW:Coronavirus reinfections confirmed in the Netherlands, Belgium(8/25)
出典元:Business Insider:2 more people have been reinfected with the coronavirus, European scientists say, a day after the first confirmed reinfection in Hong Kong(8/26)