トランプ大統領の政策により、親から引き裂かれて再会できていない子は545人
10月20日にアメリカ自由人権協会(ACLU)が裁判所に提出した書類によると、545人の子どもたちが両親の居場所を特定できていない状態だという。彼らはトランプ政権下で、両親から引き離された移民の子だ。
連邦判事によって任命された弁護士が移民家族の特定に動いているが、特定できていない親の3分の2は、子と引き離されたまますでに国外に退去させられているという。
「ゼロ寛容政策」で引き裂かれた親子
2018年に行われた「ゼロ寛容政策」は、トランプ大統領が掲げたもので、メキシコ国境を越えた入国書類のない不法入国者を収容し、刑事裁判にかけるという政策だ。刑事裁判にかけられている間、親と子が別々の場所に収容されていた。
しかし、国内外から強い批判を受け、同年6月20日には、不法移民の親子を一緒に収容するという大統領令に署名している。
それでも政策が導入された5月5日から、方針が転換された6月9日までに、2800を超える家族が引き離されたという。
再会できない子の現在
2018年7月26日、米政府は1442人の子が、移民当局に収容されている保護者との再会を果たし、378人が釈放されたと発表している。711人が「親の拒否」や「親元が安全ではない」などの理由で家族との再会対象にならず、そのうち431人の親はすでに米国から強制送還されるなどの理由で米国内にいないと米政府は説明していた。
釈放された378人についても、すで釈放されていた親との再会を果たしたケースのほかに、親類や家族の友人の元に送られたケースや、すでに18歳を超えていたケースなどがあるという。
現在、親と引き離された子どもたちは、遠い親類に引き取られていたり、里親の元で生活している。(了)
参考:NBC News「Lawyers say they can’t find the parents of 545 migrant children separated by Trump administration」(10/21)
参考:BBC「移民児童1800人以上が家族再会とトランプ米政権 700人以上は再会できず」(2018/7/27)
イメージ画像出典元:Flickr_Francisco Luco