旧刑務所の壁に脱獄する受刑者の絵、新たなバンクシーの作品が登場
覆面アーティスト、バンクシーの新作が、旧刑務所の壁に描かれているのが発見された。
バンクシーが自らの作品と認める
この絵が描かれていた場所は、イングランド南部にある「レディング刑務所(Reading Gaol)」だという。
ここは1895年から1897年まで、詩人オスカー・ワイルドが当時犯罪とされた同性愛行為の罪で投獄されたことで知られるが、今では閉鎖されている。
その赤いレンガの壁には今回、ロープを伝って降りようとしている受刑者の姿が描かれていた。しかもロープの先にはタイプライターがぶら下げられていたそうだ。
そして3月4日、バンクシーはこの絵が自分の作品であることを認め、自らのインスタグラムに、描く様子を撮影した動画を投稿した。(ちなみに動画の最初に出てくる、ボブ・ロスさんは、自らの油彩画法を紹介したテレビ番組「ボブの絵画教室」で有名になった画家だ)
この投稿をInstagramで見る
建物の今後をめぐって議論に
「レディング刑務所」は2013年に閉鎖されたが、この建物の将来については、議論が起きていたという。
「レディング刑務所」の所有者は法務省になるのだが、もしレディング自治区評議会が入札に失敗した場合、この建物は不動産会社に売却され、豪華なマンションへ生まれ変わる可能性があるそうだ。
しかしこの旧刑務所は歴史的建造物として、イギリス国内でも国際的にも重要なものとみなされているとか。
このため保存を願っている人は、建物をアートやコミュニティのハブ(集う場所)にしたいと望んでいるという。
そして今回、バンクシーがこの壁に作品を描いたことは、保存を望む運動の後押しになる、とも言われている。(了)
※BBCジャパンでは、バンクシーの行動に対して、保存を求める人々からの賞賛の声が多く寄せられている。是非、ご覧いただきたい。
出典元:METRO:Artwork of escaping inmate on former prison confirmed as Banksy(3/4)