VR空間に3次元の絵を描く女性アーティストが斬新
伝統的な絵画の技法を、最先端テクノロジーと組み合わせて、まったく新しいタイプの芸術を生み出しているアーティストがいる。
フランスのマルセイユを拠点として活動しているAnna Zhilyaevaさんだ。
仮想現実空間に描く立体の絵
コンピューターによって作られるバーチャル・リアリティ(VR/仮想現実)の世界。Zhilyaevaさんは、その中でのみ存在する絵画を制作している。VRゴーグルを装着し、仮想空間に描画するためのソフトウエア(Tilt-brush、Masterpiece、Anim VRなど)を使って、まるで油絵を描くようにストロークして行くのだ。
仮想空間での絵画制作では、現実にありえないことが2つ可能になる。絵画といえば一般的に平面上に描かれるものだが、仮想空間では3次元空間に描けるようになる。なので、絵は立体になり、描いた物を持ち上げたり回転させたりもできるのだ。これが1つめ。
もう1つは、コンピューターのメモリが許す限りどこまでも描き続けることができる点。つまり、作品の大きさに制限がない。
Zhilyaevaさんのインスタグラムに、制作中の動画が投稿されている。見ると不思議な気持ちになる。
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VRペインティングの先駆者
彼女は、フランスのルーヴル美術館をはじめ、世界各地のイベントで制作パフォーマンスを披露している。アート系メディアによれば、「バーチャル・リアリティ・ペインティングの先駆者」として、その筋では有名だとのこと。
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若いうちに絵画の基礎技術を身につけたZhilyaevaさんは、アニメーターや肖像画家、ゲームデザイナー、フリーのイラストレーターといった職を転々としている。その間に得たテクノロジーに関する知識があったおかげで、VRを利用することに抵抗がなかったそうだ。
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彼女は、VR空間に描く絵画を、「ボリューミズム(Volumism)」の作品と呼ぶ。Volumismの日本語訳はまだないが、「容量主義」とでも訳せるだろうか。こう名付けた理由は、生み出す量に制約がなく重力の法則にも縛られないからだそう。(了)
出典元:Odditycentral:Pioneering Artist Paints in Virtual Reality and Her Works Are Beyond Impressive(3/26)
出典元:makersplace:Beyond Painting: Exploring Volumism with Anna Zhilyaeva(1/12)