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長期間の宇宙滞在と水泳によって、心臓が収縮することが判明

長期間の宇宙滞在と水泳によって、心臓が収縮することが判明
flickr_SDASM Archives

宇宙に長期間滞在した宇宙飛行士と、長い間水泳をしていた人の心臓が、ほぼ同じように収縮していたことが明らかとなった。

 

宇宙飛行士とアスリートを比較

 

この研究を行ったのは、アメリカ・テキサス大学サウスウェスタン・メディカル・センターのBenjamin Levine教授が率いる研究チームだ。

 

彼らは1年近く国際宇宙ステーションに滞在した宇宙飛行士のScott Kellyさんと、長期間水泳を行っていたアスリートのBenoît Lecomteさんの心臓を比較。

 

その結果、両方とも通常重力によって加えられる心臓への負荷が取り除かれ、心臓が収縮していることが判明したという。しかも心臓のこの変化に対応するには、運動だけでは不十分だったことも明らかとなった。

 

340日間、宇宙ステーションに滞在

 

Scott Kellyさんは宇宙ステーションに、340日滞在。これにより、研究者は長期間宇宙に滞在した場合の人間の体への影響を調べることができたという。

 

一方、アスリートのBenoît Lecomteさんは、2018年6月5日に太平洋を泳いで横断することに挑戦。最終的に目的を果たすことはできなかったが、159日間で2821kmも泳いだと言われている。

 

またLecomteさんは1日に平均で5.8時間泳ぎ続け、8時間の睡眠をとったが、横たわった水平の状態で、毎日9時間から17時間過ごしていたそうだ。

 

つまり、非常に長い時間水泳をすると、人は垂直ではなく水平の位置にいるため、重力によって心臓にかかる負荷も変化すると考えられている

 

心臓は柔軟で元に戻りにくい性質

 

Levine教授はこの原因について、次のように述べている。

 

「私たちが長年の研究で学んだことの1つは、心臓が非常に可塑性であるということです。 ですから、心臓はそれにかかる負荷に適応します。宇宙飛行では、重力に逆らって血液を送り出す必要がないため、上(上り坂)に血液を送り出す必要がなくなります。※可塑性:固体に外力を加えて変形させ、力を取り去っても元に戻らない性質」

 

Lecomteさんの心臓の左心室を見ると、泳いでいた4から5カ月の間に総質量が約20〜25%減少。一方、Kellyさんの心臓の場合、1年間で質量の19%と27%が失われたそうだ。

 

今回の研究は、NASAが今後数十年で乗り出す火星への遠征など、宇宙での長期間の旅に影響を及ぼすと考えられている。(了)

 

出典元:BBC:Long spaceflights and endurance swimming can ‘shrink the heart‘(3/29)

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