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プラスチックがお金の代わりに?インド初の”ゴミカフェ”とは

プラスチックがお金の代わりに?インド初の”ゴミカフェ”とは
※画像はイメージです(Unsplash)

海洋汚染の被害の深刻さが伝えられるようになって久しい中、プラスチックは世界の悩みの種であり害悪扱いされている。

 

そんな中で昨年、インドでプラスチックと引き換えに無料で食事を提供するその名も”ゴミカフェ”がオープンし、注目を集め始めている。

 

オープンの背景にあるゴミ問題の深刻さ

 

無料の食事をプラスチックと引き換えに提供することで話題となっているのは、インドのチャッティースガル州アンビカプルに位置する「Garbage Cafe」。日本語に訳すと、その名も”ゴミカフェ”だ。

 

Twitter / Fayaz King

 

昨年10月、アンビカプルの自治体によってオープンした同カフェの目的は、プラスチックごみの収集と除去、そして誰しもに食事を提供するという双方の必要性に対する意識を高めること。その着想は類似するカフェを既にオープンさせているカンボジアやベルギーから得たという。

 

その仕組みは至って簡単だ。

 

アンビカプルで市長を務めるAjay Tirkey氏によると、同カフェでは1キロものプラスチックごみを持参すれば、ご飯の添えられたカレーやレンズ豆、パーパド(注:インド料理の一つとして知られ、クラッカーのようなもの)といった食事を無料で提供してもらえるという。尚1キロのプラスチックを収集するのにかかる時間は、数時間程度であるとされる。

 

またこの半分ほどの量を持参した場合でも、サモサの朝食やレンズ豆のドーナッツ、あるいは詰め物入りのフラットブレッド(注:ナンのようなシンプルな平たいパンのこと)といった食事を得ることが出来るとのこと。

 

同カフェに持ち込まれたプラスチックごみは、道路建設のために利用されることになるという。

 

※画像はイメージです(Unsplash)

 

この誕生の背景には、インドが抱える深刻なごみ問題がある。

 

インドでは多くの都市が膨大な量の無分別ごみの扱いに手を焼いており、同国環境省によると1日で生み出されるごみの量はなんと2万5000トンほどにも達するという。

 

その中で収集されるのは1万4000トンほどで、効果的な廃棄物管理システムも僅かであるとされている。

 

このような現状を受け、ナレンドラ・モディ首相は2022年までにインドにおける全ての使い捨てプラスチックの使用を止めることを宣言するに至っている。

 

インドの河川に浮く大量のごみ(Pexels)

インドの中における”優等生”アンビカプル

 

そのようなインドの中において、Garbage Cafeが位置するアンビカプルは”優等生”であるといえる。

 

同都市におけるごみの収集は100%戸別かつ分別されて行われているといい、さらにアンビカプルは昨年の政府のランキングにおいて2番目に清潔な都市に選ばれてもいる。

 

それだけではない。

 

アンビカプルは、民間企業に対してプラスチックごみや再生紙の販売を行うことにより、一ヶ月に120万ルピー(約173万円)もの資金を手にしている。

 

さらに同都市は2015年、プラスチックから完全な道路を建設させてまでいる。

 

ちなみにTirkey氏は、この道路について「それはモンスーン(注:東南アジアに吹く季節風のこと)がもたらす雨の間においてさえ、非常に良い耐久性を示している」とのコメントを残している。

 

アンビカプルの風景(TripAdvisor)

ゴミ問題解決に向け他の都市も動き出す

 

このようにインドのゴミ問題解決にあたり先陣を切ってきたアンビカプルであるが、それではGarbage Cafeの方は上手くいっているのだろうか。

 

1キロのプラスチックごみを持参することで無料の食事にありつけたRam Yadavさんは、「ここで食べられる食事は、一日中腹持ちします。それに他の人と同じようにテーブルを囲むことは、気分の良いことです」と同カフェを絶賛する。

 

Garbage Cafeの取り組みは、ゴミ問題に悩まされるインドにおける他の都市にも影響を与えているようだ。

 

西ベンガル州に位置する都市シリグリでは、地元の学校の卒業生らが500グラムのプラスチックごみを持参した全ての人に対し、無償で食事を提供するという試みを実施している他、テランガーナ州のムルグでも、1キロのプラスチックと引き換えに1キロの米を配布する試みが行われているという。

 

さらにこの動きはインドの首都、ニューデリーにも到達しつつある。

 

同都市の当局は、アンビカプルと類似する複数のGarbage Cafeをオープンする計画を立てているという。

 

インドの首都、ニュー・デリーの様子(Wikipedia Common)

 

プラスチックごみと引き換えに、無料の食事を提供するという画期的なアイデアで注目を集めるGarbage Cafe。

 

この取り組みが、ごみ問題と貧困層の食糧問題の双方を抱える多くの国々に広がっていくことを願うばかりだ。(了)

 

出典:The Guardian:From rubbish to rice: the cafe that gives food in exchange for plastic (2019/12/24)

出典:REUTERS:Food for… trash? India’s first ‘garbage cafe’ to offer meals for plastic(2019/7/24)

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