カンボジアで地雷を除去し続けてきたヒーロー・ネズミ、ついに引退へ
これまで地雷除去に活躍してきたネズミが、ついに引退することになった。
5年間も地雷の除去に携わる
そのネズミとは「Magawa」だ。「Magawa」はこれまでカンボジアで、数多くの地雷や不発弾を嗅ぎ分けて発見し、多くの人々の命を救ってきたという。
「Magawa」は現在、7歳で、アフリカのタンザニアで訓練を受け、カンボジアに派遣されてからすでに5年も地雷除去に携わってきたそうだ。
しかし今回、ネズミの訓練を行ってきたベルギーの団体「Apopo」は、「Magawa」を引退させることに決めた。
71個の地雷を発見
「Magawa」は「アフリカオニネズミ」という種で、他のネズミよりも大きく、体長も70cmある。
しかし人間よりも遥かに体重が軽いため、爆破せずに地雷の上を歩くことができるという。
そしてこれまでにグランド20個分以上の土地を探索し、71個の地雷と38個の不発弾などを発見してきたそうだ。
しかし「アフリカオニネズミ」の寿命は8年と言われ、「Magawa」は健康ではあるものの、動きも明らかにペースダウンしているため、今回引退させることが決まった。
最も成功したネズミ
「Magawa」は、地雷に使われる爆発性化学物質の匂いがするものに近づくと、餌がもらえるというトレーニングを受け、地雷を見つける技術を磨いてきたという。
そしてアフリカで9カ月のトレーニングを受けた後、全てのテストに合格。カンボジアに送られ、地雷を見つけた時には土をひっかくことで、人間のハンドラーに知らせてきた。
また「Magawa」はこれらのトレーニングに最も成功したネズミとされ、地雷除去の活躍が認められ、イギリスのペット愛護団体「PDSA」から金メダルを授与されている。ハンドラーの「マレン」さんは、次のように語っている。
「マガワのパフォーマンスは他の追随を許さず、私は彼と一緒に働けることを誇りに思っています。彼は小さいですが、多くの命を救い、必要とされている安全な土地をできるだけ早く、コストをかけずに人々に返すことを可能にしてくれました」
実際に「Magawa」はテニスコートほどの広さの場所を30分で捜索することができ、人間が金属探知機を使ったら1日から4日はかかると言われている。(了)
出典元:INDEPENDENT:Award-winning rat retires from job sniffing out landmines(6/5)