イスラエルが世界で初めて、戦闘でAI制御の自律型ドローン群を使用していた可能性
イスラエルが今年の5月に、戦闘においてAIを使ったドローンの使用を許可していたことが伝えられている。
AIで制御されたドローン
メディア「Interesting Engineering」によれば、そのドローンは群れで行動し、過激派組織「ハマス」の戦闘員を捜索、識別し、攻撃するものだという。
しかもこれは人間のオペレーターによってコントロールされず、AIのネットワークを使い、自律的に動いていくそうだ。
そしてもし、この兵器が実際の戦闘で使われたとすれば、恐らく世界でも初めての例になる、と伝えている。
セミオートのロボットも配備
実は先月、イスラエルがガザ地区にいる「ハマス」の拠点などを攻撃した際、セミオートのロボットを配備したと報告されたという。
そのロボットは「ジャガー」と呼ばれ、マシンガンを搭載し、発砲する際は人間のオペレーターによって操作されるそうだ。
しかし完全にAIで自律的に動くドローンとなると、これとは全くレベルが異なる。
実際このドローンは人間のオペレーターによって全く制御されていない。完全にAIによって制御され、群れで行動することにより、いくつかが破壊されても他の機体でミッションを継続出来るという。
しかもAIの機械学習システムには、人工衛星や他の偵察用ドローン、飛行機などから得られるデータや、地上ユニットが収集した情報が与えられるそうだ。
数年前からAIやスーパーコンピューターを活用
イスラエル国防軍は数年前から、「ハマス」の活動場所を特定し、AIやスーパーコンピューターを使い、戦略的優位性を排除するための攻撃を計画してきたという。
実際にイスラエルの情報部隊である「8200部隊」は地理的、信号的、人的情報データを用いてアルゴリズムを開発し、このような戦略的攻撃ポイントを特定しているそうだ。
これにより、収集したデータをより速く調べられるようになり、任務に必要な時間が短縮されたとか。しかし今回のドローン群による攻撃に関して、イスラエルの国防軍は具体的な内容を公表していない。
また2020年3月にはリビアで、自律型無人機が、反政府勢力のハリファ・ハフタル司令官と関連する部隊を攻撃していたという。
しかし人権NGOの「ヒューマン・ライツ・ウォッチ」は、”殺人ロボット “と呼ばれる完全自律型兵器に反対するキャンペーンを展開している。(了)
出典元:Interesting Engineering:Israel Just Used Fully AI Controlled Drone Swarms in a World First(7/5)