奇妙なアンキロサウルスの化石を発見、トゲが骨格に融合していた!
化石ハンターがアフリカのモロッコにおいて、これまでにない奇妙な化石を発見し、その調査が進められた。
最初はステゴサウルスかと思われた
その化石は、アンキロサウルスと呼ばれる鎧竜のもので、個人収集家が以前、モロッコの中部アトラス山脈の遺跡で発見したという。
その後、イギリスのロンドンにある自然史博物館が化石を非公開で入手、調査を行った。
研究者たちは当初、この化石が2019年に同じ地域から出土したステゴサウルスの新しい種類のものだと考えていたが、その後化石の薄切片を顕微鏡で分析。
その結果、アンキロサウルスに特有の繊維パターンを持っていることが明らかとなった。
トゲが骨格に融合していた
しかしこの化石は、これまでのアンキロサウルスに比べ非常に奇妙な形をしており、骨格に融合した防御用のトゲを持っていたという。
これは動物界では前例がなく、今まで発見されたどのアンキロサウルスにも、そのような特徴は見られていない。
そのため科学者は当初、この化石がフェイクではないかと疑ったが、CTスキャンを使ってさらに調べたところ、化石が作り込まれたり、改ざんされたりした痕跡は見つからなかったそうだ。
ロンドンにある自然史博物館のSusannah Maidment博士は、次のように語っている。
「まったくもって奇妙です。通常、ステゴサウルスやアンキロサウルスの鎧は、皮膚に埋め込まれていて、骨格には取り付けられていません。このケースでは骨格に接触しているだけでなく、肋骨に融合しているのです」
ジュラ紀中期に生息か
この化石は今から1億6800万年前のジュラ紀中期ものと考えられ、地球に生息していた初期のアンキロサウルスの1つになるという。
またこれまで知られている中で、最も古いアンキロサウルスの化石であるだけでなく、アフリカで初めて発見されたアンキロサウルスの化石と考えられているそうだ。
重い鎧をまとった草食動物
アンキロサウルスとは、「硬いトカゲ」という意味で、ステゴサウルスの親戚にあたる大型の草食動物。重い鎧をまとった頭蓋骨やトゲのある体、棍棒のような尾を持っていたという。
体長は7メートル、体重4トンにもなり、アメリカとカナダで発見された6700~7400万年前の化石が知られている。
しかし今回の化石は、それよりもずっと以前に、この生物が地球上に生息していた可能性を示唆しているそうだ。
Maidment博士によれば、この化石は、他の動物が進化した初期のアンキロサウルスである可能性もあれば、まったく新しい系統の動物である可能性もあるという。(了)
出典元:The Guardian:Dinosaur fossil with ‘totally weird’ spikes in skeleton stuns experts(9/23)