ドイツの情報機関、ブチャでの虐殺についてロシア軍の会話を傍受
ドイツの情報機関が、ウクライナのブチャで起きた大量虐殺に関する、ロシア軍の無線通信を傍受したと明らかにされた。
ドイツ連邦情報局が無線を傍受
この無線通信について最初に報じたのは、ドイツ紙の「シュピーゲル」だ。同紙は、それらの会話が、ウクライナの首都・キーウの北西にあるブチャで行われた虐殺行為に関連するものだと伝えていた。
また取材を受けた政府関係者によれば、その無線通信はドイツの対外情報機関の連邦情報局(BND)によって傍受されたものだという。
そしてこの証拠は、4月6日には連邦情報局によってドイツの国会議員に提出された。
計画的な民間人殺害について話し合う
これまでロシア政府は、ウクライナのブチャでの大量虐殺について、演出されたものだと主張。ロシア軍が市民を虐殺したことを否定し続けている。
しかし今回、傍受された無線通信の会話は、計画的な民間人殺害についてロシア兵が話し合っているような内容だったという。
実際に会話の中で、あるロシア兵は、自分たちの部隊がどのように自転車に乗っていた人物を殺害したのか、を話していたそうだ。ブチャでは、自転車に乗ったまま殺された人が実際に見つかっている。
また別の通信では、ロシア兵がウクライナ兵だけでなく民間人を射殺する前にどのように相手に尋問したかも話し合われ、「まずは(ウクライナ)兵に質問をし、それから撃つんだ」といった兵士の言葉も録音されていたそうだ。
ロシアの否定を完全に無効化
今回の情報は、ドイツの一部の国会議員に提出されただけで、まだ完全には公にされていない。しかし無線の内容を聞いた国会議員は「ロシア兵が日常的な活動について話し合っているかのように、殺害について平然と話している印象を受けた」と述べている。
また無線の証拠が提出された会議の出席者も、「この録音は、ロシアの否定を完全に無効化するものだ」と述べたという。
そしてこれらの情報資料は、シリアなどで残虐行為を働いたロシアの傭兵部隊「ワグネル(ワグナー)グループ」が虐殺の中心的な存在だったとの報告の信憑性を示していたそうだ。(了)
出典元:The Guardian:Russian soldiers ‘discussed killing civilians’ in Ukraine in radio intercepts(4/7)