ロシア、2024年にISSから撤退を表明、独自のステーションを建設予定
ロシアの宇宙機関は2024年以降、国際宇宙ステーション(ISS)から撤退すると明らかにした。
新たなロシア宇宙機関のトップが報告
新たにロシアの宇宙機関「ロスコスモス」のトップに任命されたユーリ・ボリソフ氏は、プーチン大統領との会談で、ISSのパートナーに対する義務を果たした上で、プロジェクトを離脱すると述べた。
ISSから撤退するのは2024年以降とされ、プーチン大統領はこの案を承認。これにより20年以上続いたロシアと西側諸国とのパートナーシップが終了することになる。
またボリソフ氏は、ISSから撤退後は、独自の軌道上において、ステーションの建設に専念すると述べたという。
独自ステーションの設計図も公開
プーチン大統領との会談後、「ロスコスモス」はSNSチャンネルで、独自の軌道上に建設するステーションの設計図と称する画像を公開した。
その設計図によると、宇宙ステーションにはまず2人のロシア人宇宙飛行士が滞在し、最終的には4人にまで拡大される予定だという。
しかしNASA(米航空宇宙局)の高官は27日、メディアに対し、ISSから撤退する意向をロシア側から伝えられていないと語った。
2000年以来、宇宙飛行士が滞在
ISSの最初のバージョンは1998年に打ち上げられ、2000年以来西側諸国とロシアからの宇宙飛行士が継続してそこに滞在し続けており、冷戦後の宇宙大国であるロシアとアメリカのパートナーシップの象徴として広く認識されてきたという。
ウクライナでのロシアの軍事行動に対する非難が広がっているにもかかわらず、宇宙はロシアと西側諸国が協力する最後の手段の1つであり続けていた。
しかし「ロスコスモス」の前代表であるドミトリー・ロゴジン氏は、アメリカやEU、カナダがロシアの宇宙産業に関わる企業に対する制裁を解除しない限り、パートナーシップを終了させると脅し、2024年以降にISSを去ると表明していたそうだ。
また「ロスコスモス」は今月、ISSに搭乗している宇宙飛行士が、ロシア軍によるウクライナ東部ルハンスク州の占領を祝う画像を公開し、物議を醸していた。(了)
出典元:The Guardian:Russia says it will quit International Space Station by 2024(7/26)