「米選挙に干渉したし、これからもする」プーチン大統領の側近が明かす
ロシアの実業家が、アメリカでの選挙に干渉してきたことを明らかにした。
傭兵組織「ワグネル」の創始者
その実業家とは民間軍事組織「ワグネル」の創始者で、プーチン大統領の側近とされる、エフゲニー・プリゴジン氏(61)だ。
彼は自身のケータリング会社「コンコード」が投稿した声明の中で、アメリカでの選挙への介入について、次のように述べたという。
「諸君、われわれは(アメリカの選挙に)干渉したし、干渉しているし、これからも干渉するだろう。慎重に、正確に、外科的に、我々の方法で、我々ができる方法でだ」
Gentlemen, we interfered, we are interfering and we will interfere,
says the powerful Russian “businessman” and a close Putin ally Yevgeny Prigozhin on the eve of a midterm vote. pic.twitter.com/hamaDnB7aQ
— Visegrád 24 (@visegrad24) November 7, 2022
中間選挙でも民主党候補を批判
アメリカのソーシャルメディア分析会社「グラフイカ」は先週、ロシアの工作員とみられる人物が、中間選挙に向けて、極右メディアのプラットフォームを利用し、民主党候補を批判したと発表している。
またプリゴジン氏は、2016年のアメリカ大統領選挙にロシアが干渉したとする、ロバート・ムラー特別検察官の捜査において、2018年に起訴されていた。
この時、プリゴジン氏は2016年の米大統領選前に不和を煽り、アメリカの世論を分裂させた罪で起訴されたが、今まで彼自身もロシア政府も関与を否定してきたという。
2016年の大統領選挙に干渉
この事件では、ロシア情報当局とその関係者が、2016年米大統領選の民主党候補だったヒラリー・クリントン氏を妨害するため、民主党幹部のメールをハッキング。
情報操作でアメリカの世論を動かし、政治活動に資金提供しようとしていた実態が、捜査で明らかにされた。
その結果、ロシア人やロシア法人3社を含む計37人が、共謀やハッキングなどに関する罪状で正式起訴され、そのうち7人が有罪を認めたという。
一方、ロシア勢力に応援された形となり、大統領に当選した共和党のトランプ陣営は、政権を担っていたせいか、ロシアの選挙介入に直接関与したという罪状で起訴はされなかったそうだ。
ただ今回のプリゴジン氏の発言について、ホワイトハウスのスポークスマンであるカリーヌ・ジャンピエール氏は、「驚くに当たらない」と発言。次のように述べている。
「エフゲニー・プリゴジンに関連する組織が、アメリカを含む世界中の選挙に影響を与えようとしたことは、よく知られており、公の場で文書化されている」(了)
出典元:The Guardian:Putin ally Yevgeny Prigozhin admits interfering in US elections(11/7)