英のジョンソン元首相、米がウクライナに「F-16」を供与するよう訴える
イギリスのボリス・ジョンソン元首相は先日、ウクライナに戦闘機を供与するよう訴えた。
ウクライナのNATO加盟も支持
ジョンソン元首相は最近、アメリカに渡り、テレビにも出演。ワシントンポスト紙へ寄稿し、アメリカの共和党幹部との会談などを行うなど、精力的に活動したという。
またアメリカにあるシンクタンク「大西洋評議会」で講演を行ったという。
その講演の中で、ジョンソン元首相は「ウクライナにF-16戦闘機などの手段を与える時が来た」と主張。さらにウクライナのNATO加盟を認め、あいまいな状態を終わらせることを支持すると述べたという。
ウクライナはNATOの技術を使いこなせる
今回の活動は、現在のイギリス政府を代表したものではなく、フリーランスとしての活動と考えられている。
ジョンソン元首相はまた、ウクライナ人がアメリカ製の高性能の戦闘機を飛ばすことができないという意見を退け、ウクライナはすでに最新のNATOの技術を使用する能力を示していると主張。
ヨーロッパで繰り返された、特定の兵器を提供した場合のエスカレーションのリスクについての議論にも言及し、これらの議論はすべて兵器の提供に合意することで終了したと述べた。
その上でジョンソン元首相は「今すぐ(供与を)実行に移し、この(支援の)遅れを終わらせよう。それが人道的な行動だ」と訴えたという。
「勝利することはコスト削減になる」
現在、アメリカの世論調査ではウクライナへの支持が低下し、共和党議員を中心に、これ以上ウクライナに関与すべきではない、との議論も出ているそうだ。
しかしこのような考えに対して、ジョンソン元首相は、ウクライナでの戦争に勝つことはコスト削減になると認識するよう促し、次のように述べたという。
「比較的小さな支出で、我々は欧州・大西洋エリア全体を大きく強化したことになる。アメリカの貢献は見事で巨大だが、それでもこれまでのアメリカの年間防衛予算の5%か6%に過ぎず、プーチンの戦争マシンの約20%~50%を劣化させることに貢献していることを、心に留めておいてほしい」
さらに共和党議員が懸念している、エスカレーションによる核の脅威についても、ジョンソン首相は、次のように述べた。
「プーチンは核兵器を使わないだろう。なぜなら、(もし使えば)中国の最後の支持を一瞬で消し去り、インドからアフリカ、ラテンアメリカまで、世界中の有力者をすべて失い、自国民に恐怖を与え、その結果を恐れて生きることになるからだ」(了)
出典元:The Guardian:Boris Johnson calls on US to give Ukraine fighter planes(2/1)