ロシア軍の旅団がバフムトの一部から、最大2キロ後退か?【ウクライナ】
ウクライナのドネツク州にある激戦地・バフムト。この前線から一部のロシア軍部隊が後退したとの情報が流れている。
「我が軍は逃げている」
ウクライナの地上部隊を率いるオレクサンドル・シルスキー大佐は5月10日、自軍の反撃の結果、バフムトの一部からロシア軍の部隊が、最大で2km後退したと述べたという。
後退したとみられるのはロシア軍の第72独立自動車化ライフル旅団とされ、バフムト南西部郊外の陣地を放棄したと見られている。
ロシアの民間軍事会社「ワグネル」のトップ、エフゲニー・プリゴジン氏も5月9日、「我が軍は逃げている。第72旅団は今朝、3平方キロ(の陣地)を放棄し、私は500人ほどの兵士を失った」と述べたそうだ。
「プリゴジンの報告は事実」
ウクライナの第3独立突撃旅団も5月10日、公式発表で次のように述べている。
「バフムト付近からのロシア第72独立自動車化ライフル旅団の逃走と、残されたロシア人の『500人の死体』に関するプリゴジンの報告は事実である」
第3独立突撃旅団はアゾフ大隊のメンバーによって昨年結成され、やはり10日に動画を投稿。
その中でアゾフ大隊の創設者の1人であるアンドリー・ビレツキー氏は、自分の部隊がロシア旅団を「敗北」させたと主張し、次のように述べた。
「攻撃は幅3km、奥行き2.6kmの領域内で実施され、この領域全体がロシアの占領軍から完全に解放された」
ロシア側は、第72旅団がバフムトの陣地を放棄したとの報道について、コメントしていない。
「状況は依然として困難」
以前からウクライナ軍は、バフムトにおけるロシア軍の攻撃が失速していると述べており、ウクライナのハンナ・マリヤール副国防相も5月10日、テレグラムで親ウクライナ派の部隊がバフムトで1つも陣地を失っていないと述べたという。
ただしウクライナ東部軍司令部は、ロシア旅団が大きな被害を受けたとは言え、まだ都市の残りを占領しようとしているとの見方を示した。
同司令部の報道官であるセルヒイ・チェレヴァティ氏は、テレビで次のように述べている。
「残念ながら、彼ら(ウクライナ軍部隊)はまだロシア軍旅団全体を破壊していない。バフムトの状況は依然として困難であり、敵にとっては、プリゴジンが騒ぎ立てようとも、バフムトが攻撃の主要な目的である」
プリゴジン氏は先週、ロシア軍からの弾薬供給が約束されたとしてバフムトからの撤退表明を撤回したが、今週再び撤退する可能性を示唆した。(了)
出典元:The Guardian:Russians near Bakhmut have retreated by up to 2km, Ukrainian official says(5/10)