『ツイン・ピークス』『マルホランド・ドライブ』の映画監督、デビッド・リンチ氏が死亡
アメリカ人の映画監督、デビッド・リンチ氏が亡くなった。78歳だった。
長年の喫煙により、肺気腫を患う
テレビ・ドラマ『ツイン・ピークス』や映画『マルホランド・ドライブ』などを手掛けた、デビッド・リンチ監督は2024年8月、長年の喫煙習慣により、肺気腫と診断されたことを告白したという。
また11月には、呼吸困難についても語っており、「部屋を横切るのがやっとです」「頭にビニール袋を巻いて歩いているような感じです」と述べていたそうだ。
さらに関係者によれば、今年のロサンゼルスの山火事で、自宅から避難しなければならなくなり、その後、リンチ監督の健康状態が悪化したという。
リンチ監督の家族は1月16日に、彼が亡くなったことを発表。フェイスブックにも「私たち家族は、深い悲しみとともに、人間でありアーティストであるデビッド・リンチの死をお知らせします」とのメッセージが投稿された。
数々の話題作を手掛ける
リンチ監督は、1946年にモンタナ州の町、ミズーラで生まれ、1960年代に美術大学に進学。ペンシルベニア芸術アカデミーの学生時代に、初の実験的な短編映画「Six Men Getting Sick」を制作したという。
1971年には、ロサンゼルスに移り住み、映画製作を学び、初の長編映画「イレイザーヘッド」の撮影を開始。1976年に完成したこのシュールな映画は、広く注目を集めた。
その後、ジョン・ハート氏主演の映画『エレファント・マン』を監督し、この映画はアカデミー賞8部門にノミネートされ、リンチ監督のハリウッドでの地位を確固たるものにしたそうだ。
その後も、『ブルーベルベット』や『ワイルド・アット・ハート』、『マルホランド・ドライブ』などの映画を手掛け、テレビ・ドラマの『ツイン・ピークス』も大ヒットした。
リンチ監督は『ブルーベルベット』、『エレファント・マン』、『マルホランド・ドライブ』で3回アカデミー監督賞にノミネートされ、2019年には名誉生涯功労賞を受賞。1990年には『ワイルド・アット・ハート』で、カンヌ映画祭のパルムドールを受賞している。(了)
出典元:The Guardian:David Lynch, Twin Peaks and Mulholland Drive director, dies aged 78(1/16)