バンクシーの新作、「パレスチナ・アクション」の支持者への対応に抗議か

ストリートアーティストのバンクシーが、イギリス・ロンドンにある建物に新たな壁画を描いた。
裁判官がデモ参加者に木槌を振り下ろす
バンクシーの新たな作品は、ロンドンにある高等裁判所の壁で発見されたという。
そこには、かつらをかぶった裁判官が、血まみれのプラカードを握りしめ、地面に倒れ込む抗議者に木槌を振り下ろす様子が描かれていた。
バンクシーは9月8日、インスタグラムに作品の写真を投稿。このアートが、自分の作品であると明らかにした。
しかし現在、作品の前には衝立が置かれ、イギリス警察によって完全に遮蔽されているという。
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「パレスチナ・アクション」の支持者への対応を批判か?
この作品は、テロ組織に指定され、活動が禁止された団体「パレスチナ・アクション」を支持するデモ参加者の大量逮捕に対する、抗議の意味が込められていると考えられている。
9月6日、ロンドンでは「パレスチナ・アクション」を支持し、政府による「テロ指定」に抗議するデモが行われ、900人近い参加者が拘束された。
イギリス政府は7月、「パレスチナ・アクション」のメンバーがイギリス空軍基地を襲撃し、軍用機に損害を与えたことを受け、このグループを「テロ組織」に指定した。
そのため現在、「パレスチナ・アクション」を支持、または団体に所属することは刑事罰の対象となっている。
弁護士や人権擁護団体は、「パレスチナ・アクション」の活動禁止は、外交問題に関する活動を制限する危険な前例になると主張しており、「アムネスティ・インターナショナル」はイギリスの労働党政権の決定を「憂慮すべき法的権限の逸脱」と非難してきた。
バンクシーは長年、イスラエル占領下におけるパレスチナ人の苦難を浮き彫りにする作品を生み出してきたという。
例えば、ヨルダン川西岸地区に描かれた彼の壁画には、イスラエル兵の身体検査を行う少女や、防弾チョッキを着た鳩、花束を投げる覆面抗議者などを描いたものがある。(了)
出典元:Aljazeera:Banksy mural shows judge beating protester amid Palestine Action crackdown(9/8)