パイロット不在で飛ばない旅客機を、乗客が操縦して離陸、拍手喝さいを浴びる
スペイン行きのeasyJet(イージージェット)機が2時間遅れとアナウンスされたとき、乗客の中にいた家族旅行中のパイロットが申し出て、その飛行機を操縦した。家族はもちろん、乗客たちからも盛大な拍手を受けた。
パイロットが揃わず遅延
家族を連れてeasyJetでスペイン・アリカンテに行く予定だったMichael Bradleyさんは、9月2日、イギリス・マンチェスター空港からの出発便が飛び立てなくなっていることを知った。
その理由は、昨日フランスの空港で発生した通信障害の余波。航空ダイヤが乱れただけでなく、パイロットのシフトも狂い、正規のパイロットがBradleyさんの便を操縦できなくなっていたという。
代替パイロットが見つかるまで2時間かかるらしい、と妻から聞いたBradleyさんは自身もeasyJet社のパイロット。「会社に電話してみてもいいかもしれない」と思ったそうだ。
海外メディアにこう話している。
手荷物検査場に入る直前になって、会社に電話してみてもいいかもしれないと思ったんです。どうしてかというと、やはり旅行に行きたかったからですね。
それで、easyJetに電話して「ハイ、今ターミナルに並んで何もしていないんですが、ライセンスは持ってます、IDも持ってます、で、休暇の旅行にはとても行きたいんです。もしそちらが協力を必要としているなら、私は用意ができてます」と言いました。
むこうは「折り返し電話する」と言い、38秒後にかかってきた電話で「プリーズ、プリーズ、特別にお願いするから、そのアリカンテ行きを飛ばしてもらえないだろうか」と言われました。
乗客は大喜び
Bradleyさんは私服のまま乗客の前に立ち、機内のマイクで自分が機を飛ばすとアナウンス。乗客たちからは一斉に拍手が起こった。
その時の様子を、乗客の一人、Michelle Hannah Pottsさんが撮ってFacebookに投稿している。
そこにはこんなコメントがついている。
空港に着くとフライトは2時間遅れでした。ところがもう一度掲示を見ると、別のゲートから予定通りの時間に出発となっていたので、私たちは走ってゲートに向かいました。
係員に何があったのか尋ねると、彼は何でもないことのようにこう言いました。「パイロットがいなかったんだけどね、あなたの飛行機に乗るお客の一人が飛ばすことになったよ」
ラッキーなことにその人は本物のパイロットでした!! 彼がいなければ、私たちの便は欠航だったでしょう!
(了)
出典元:Manchester Evening News:Family’s easyJet holiday flight is delayed – so dad flies the plane to Spain himself(9/4)