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パキスタンがCO2に関する国連の「持続可能な開発目標」を10年早く達成

パキスタンがCO2に関する国連の「持続可能な開発目標」を10年早く達成
国際連合広報センター

国連の「持続可能な開発目標(SDG/Sustainable Development Goals)」のうち、CO2に関する13番目の目標を、パキスタンが10年も早く達成してしまった。

 

「持続可能な開発目標(SDG)」とは、2015年の国連総会で採択された世界各国の行動指針で、2030年に向けた17の目標と169の達成基準から成る。

 

10年早い目標達成

 

パキスタンが達成したのは、17ある目標のうちの13番目にあたる「気候変動及びその影響を軽減するための緊急対策を講じる」という目標(SDG 13)だ。具体的には、CO2排出抑制に繋がる具体的な施策が要件になる。

 

パキスタンの目標達成は、国連開発計画(UNDP)が今年6月にリリースした報告書「Sustainable Development Repot 2020」で明らかになった。また、パキスタン政府で現首相のアドバイザーを務めるMalik Amin Aslam氏(元環境大臣)も、現地メディアを通して10年早い目標達成を発表し、次のように述べている。

 

今回の目標達成は、気候変動を抑制して地球上の生物を守ろうという世界的な目標に、パキスタンが真剣に取り組んでいることを証明したと言えます。

 

いくつもの施策の成果

 

目標を達成できた要因は、地球環境にプラスになるいくつのも施策を実行したことにある。なかでも代表的なものが「10 Billion Tree Tsunami Project(100億本の樹木津波プロジェクト)」だ。

 

これはイムラン・カーン首相が主導し、2015年からパキスタン全土で進められているプロジェクト。伐採されて緑が無くなってしまった35万ヘクタールの土地に植樹して、自然の姿を取り戻そうというものだ。

 

もう一つ、「Clean Green Pakistan Index(クリーン・グリーン・パキスタン・インデックス)」という画期的なシステムを導入したことも、目標達成に役立ったといえる。これは、国内の市や町を、ゴミ処理や水道サービスといった清潔さの観点と、公園などの緑地がどれだけあるかという環境的な観点の両方から評価し、点数を付けるというシステム。高得点の市町には何らかの報酬が与えられる。

 

海外メディアによれば、パキスタンはその地理的条件から気候変動の影響を最も強く受ける国の1つだそう。地球温暖化を食い止めることは、同国にとって、最優先すべき緊急課題なのだ。(了)

 

出典元:The News:Pakistan meets UN climate change goal a decade ahead of deadline(7/13)

出典元:国連開発計画(UNDP):SUSTAINABLE DEVELOPMENT GOALS

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