272kgの巨大マグロを丸ごと寄付、ホームレスの食事350食分に
網で小魚を捕っていた漁師が、巨大マグロを引き上げるという幸運に恵まれた。アメリカ・メイン州のその漁師は、売れば1万ドル(約112万円)ほどになるであろうマグロを、地元の慈善団体にそっくり寄付した。
網に思わぬ獲物が
メイン州ベルファスト市のRoss Alexさんは、ロブスター漁を専門にする漁師だ。
ロブスターを捕るには、餌となる小魚が必要になるので、彼はその日、クルーと共に漁船に乗り、小魚を捕る網を引いていた。すると、意外な獲物がかかったという。海外メディアの取材を受けた彼は、こう話す。
「海面から小魚がポンポンと飛び上がるのが見えたんだ。そこで網を引き入れる準備をした。で、網を引き入れたんだが、魚の入ったその網を何かが引き戻した。『魚はどこへ行った?』と言いながらクルーが再び網を、そうだな、3分の1くらい引き入れると、そこにマグロがいたんだ」
それは重量600ポンド(約272kg)もあるクロマグロ。Alexさんが乗った船はクロマグロを捕る許可を得ていなかったので、まずは海へ返そうとしたそう。しかし、マグロはすでに動かなくなっており、生き返らせることはできなかった。
結局、メイン州海洋警察の助言と許可を得て、マグロは地元のスープキッチン(貧窮者やホームレスに無料で食事を提供する施設)に寄付されることになった。
港でさばき350食の食材に
船が港に戻ると、専門の職人が待機していて、すぐに巨大マグロを解体した。フェイスブックに写真が掲載されているが、マグロの大きさに驚かされる。
大きなブロックに切り分けられたマグロは、ベルファスト・スープキッチンに運ばれ、そこでさらに切り分けられ、調理された。一匹で約350食を賄えたそうだ。提供された料理の写真も掲載されている。
「地元ウォルド郡の人たちにとって、今回のことは素晴らしい機会だと思います。また、そのような機会をスープキッチンを通して提供できるのは、私たちにとっても素晴らしいことです」ベルファスト・スープキッチンのCherie Merrillディレクターはこう話す。(了)
出典元:UPI:Maine fisherman’s accidental 600-pound tuna catch benefits soup kitchen(9/29)
出典元:WABI 5:600lbs tuna donated to Belfast Soup Kitchen(9/19)