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NYで中国が極秘に警察署を設置、FBIが管理していた男らを逮捕

NYで中国が極秘に警察署を設置、FBIが管理していた男らを逮捕
flickr_Alejandro Mallea

アメリカのニューヨークで、中国が密かに警察署を作っていたことが分かり、運営していた2人の男が逮捕された。

 

中国の反体制派を追跡か

 

この警察署は、マンハッタンのチャイナタウンにあり、アメリカに住む中国の反体制派を追跡するのに利用されていたと見られている。

 

また拠点は中国の公安局(MPS)によって、2022年2月に密かに設置され、以来世界中にいる中国の民主化運動家や、その他の反体制派に対する、国境を越えた弾圧を実施していたという。

 

FBI(連邦捜査局)は昨年の10月に、この警察署を家宅捜索。さらに4月17日の朝に、この場所を運営していたとされる、ニューヨーク在住の2人の男を逮捕した。

 

MPSの幹部らも告発

 

さらにアメリカ司法省は、MPSの幹部40人と他4人を告発。彼らはアメリカ国内で、偽のSNSアカウントを使って、中国の反体制派に対して嫌がらせを行い、また通信会社の職員を利用してSNSからの排除も行っていたそうだ。

 

MPSの幹部らは中国国内にいると見られるが、彼らは海外に在住する反体制派の追跡に特化したMPS部隊「912特別プロジェクト作業グループ」のメンバーであると考えられている。

 

今回の極秘の拠点を運営していた男らが逮捕されたことを受け、中国側は、ニューヨークや世界中にある同様のオフィスはボランティアによって運営されており、警察とは無関係であると主張した。

 

1フロアが中国の秘密警察署

 

しかしニューヨーク東部地区のアメリカ人弁護士であるBreon Peace氏は、今回の逮捕では直接の関係を示す証拠ができたとし、次のように述べている。

 

「私たちのオフィスから2マイル(約3.2km)、ブルックリン橋を渡ったところ、マンハッタン南部のにぎやかなチャイナタウンの中心にある何の変哲もないオフィスビルには、数カ月前まで暗い秘密がありました。このビルの1フロア全体が、中国国家警察の未公表の警察署になっていたのです」

 

この警察署は、運転免許証の更新を手伝うなど、中国政府のサービスを提供していたが、外国政府の機関として司法省に登録されていなかったそうだ。

 

しかもPeace氏は、中国国家警察による、この秘密の警察署での活動について、具体的に次のように述べている。

 

「少なくとも1回、中国国家警察の職員が、秘密警察署で働くアメリカ国籍の被告の1人に、カリフォルニアに住む中国系の民主化運動家の居場所を突き止めるよう指示したことがありました」

 

今回、逮捕された2人の男とは、”Harry” Lu Jianwang容疑者(61)とChen Jinping容疑者(59歳)。彼らはMPS職員との接触の証拠を携帯電話から削除したと認めており、司法妨害の罪にも問われているという。(了)

 

出典元:The Guardian:FBI arrests two New Yorkers accused of running covert Chinese police station(4/17)

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