虫を食べさせるパリのレストランが、美味しいと評判らしい
フランス・パリにあるレストラン「Inoveat」には、他では食べられない革新的なメニューが多くある。エビと蠕虫(ミールワーム)のサラダ、カリカリした昆虫の野菜のせ、チョコレートでコーティングしたバッタなど、虫を使った料理だ。
虫は、これからの人口増による地球規模の食料不足を救う食材として有望視されている。だが、味については疑問視する人が多いのではないだろうか。
ところが意外にも、レストラン「Inoveat」の料理は相当評判が良いらしいのだ。複数の海外メディアが、「食べた客たちから、満足の頷きとつぶやきを勝ち取っている」と書いている。
虫の栄養的価値に目をつけたシェフ
「Inoveat」のオーナーシェフであるLaurent Veyetさんは、少量食べるだけで十分なタンパク質を摂れる虫の栄養的価値に目をつけ、虫を使った料理を提供する店が他になかったことから、パリでレストランを始めた。
ミールワーム(ゴミムシダマシ科の甲虫の幼虫)やコオロギなど、使われている虫は有機栽培による餌で食用に育てられたもの。Veyetさんは、食材としての虫の味や特徴を研究し尽くし、オードブルやメインの料理、そしてデザートに取り入れている。
メディアの取材を受けた彼は、その時作っていたパスタ料理(ミールワームの粉で作ったパスタにスイートポテトと虫の幼虫のソテーを添えたもの)についてこう説明した。
「これは初心者に最適の一品です。とても面白い風味があるんです。これが好きじゃないと言える人は多くないはずですよ」
ミールワームはこれまで飼料として消費されてきたが、今年1月、欧州食品安全機関(EFSA)が、人が食べるのにも適していると判断。5月に一般販売が許可された。用途は多彩で、丸ごとカレーやサラダに入れたり、粉にしてパスタやビスケット、パンなどに入れることもできるそうだ。
伝統的なフランス料理と変わらない
娘を連れて店に食事に来ていたSoheil Ayariさんという人が、海外メディアに感想を尋ねられ、こう言っている。
「私が今食べている料理の裏にあるコンセプトは新しいですが、それ以外の部分では、伝統的なレストランで食べるのと同じです。正直言って、味は変わりませんよ」
また、娘さんは「地球環境にもいいし、その上美味しい」と言う。
別の客の食事風景が、インスグラムに動画で投稿されている。こちらの料理は虫が丸ごと入っている。初心者には難しそうだ。
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(了)
出典元:Reuters:French restaurant serves up food of the future: insects(5/28)
出典元:Hindustan Times:Chocolate-coated grasshoppers to mealworm salad, Paris eatery serves insects as meals(6/1)
出典元:Inoveat