シリアの爆弾テロの現場で撮られた1枚の写真、多くの人々の胸を打つ
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先週、シリアでバスの車列を狙った自動車爆弾による攻撃があり、多くの人々が亡くなったが、その際に撮影された1枚の写真が注目されている。
●避難しようとしていたバスに攻撃
そこに写っているのは、カメラマンで活動家のAbd Alkader Habakさん。彼は4月15日、アレッポ郊外のラシディーンという街で、バスへの爆弾攻撃が行われた際、現場にいたという。
そのバスには反体制派に包囲された村から避難するため、シリア政府を支持する人々が乗っていたが、爆弾を積んだ自動車が突然爆発し、多くの死傷者が出た。
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Habakさんも爆風で意識を失い、気づいた時にはあたりに死んでいく子供の姿や、泣きじゃくる子らがおり、恐ろしい光景が広がっていたそうだ。
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●子供を抱き救急車へ運ぶ
そのためHabakさんは写真を撮ることを止め、子供たちを救おうと決意。カメラを脇に下げ、ケガを負った子供たちを探し始めたという。
最初に倒れていた子供はすでに死亡しており、次の子に手を差し伸べようとした時には、誰かが「こっちへ来るな、その子はすでに死んでいる」と叫んだそうだ。
しかしよく見ると、かろうじて息をしていた。そのため彼は子供を抱き上げ、到着した救急車に向かって、全力で走り始めたという。
そしてその姿を同僚のカメラマンが捉えていた。
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HabakさんはCNNのインタビューで次のように語っている。
「その子供はしっかりと私の手をつかみ、私を見つめていました。恐らく6歳か7歳だったに違いありません。私はその子を救急車へ運びましたが、一命をとりとめたかは分かっていません」
●膝から崩れて泣き続ける
その後も彼はケガ人を救おうと現場に戻り、地面に倒れている別の子供を見つけたが、悲惨な状態で死んでいたという。
それを知ったHabakさんは思わず膝から崩れて、その場で泣き続けたそうだ。
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彼はインタビューで「私と仲間が目撃したものは、言葉では言い表せません」と語っている。
今回の攻撃については、どの武装グループが行ったのかまだ明らかになっていない。西側諸国が支援する反体制派の「自由シリア軍」もこのテロ行為を非難している。
そしてこの爆発では合計126人が死亡、そのうち68人はまだ幼い子供だったという。(了)
出展元:CNN:Syria photographer takes action instead of pictures, picks up injured boy(4/17)