中国のロケットが打ち上げ後に落下、住民が撮影した動画が恐ろしい
先日、中国で人工衛星が打ち上げられたのだが、その際ロケットのブースターが地上に落下し、爆発する様子が撮影された。
長征3Bロケットのブースター
中国国家航天局は昨年の12月25日、2機の人工衛星を乗せたロケットを、西昌衛星発射センターから打ち上げたという。
その人工衛星はGPS機能を備えた北斗航行衛星システムとされ、長征3Bロケットに搭載され、目標の軌道に投入されたそうだ。
しかし打ち上げ後、長征3Bロケットのサイドブースターが、中国南部の広西地域に落下したという。
宇宙ジャーナリストのアンドリュー・ジョーンズ氏が「X」に投稿した動画には、現地の人が撮影した、森林地帯に落下し、爆発するブースターの様子が映っていた。
Heads up: it’s been a while, but this kind of falling booster action was a feature of the Long March 3B launches of Beidou satellites from Xichang. https://t.co/rRM0mQ2g0p https://t.co/UnFXaoGgC4 pic.twitter.com/7XkRCTFLaW
— Andrew Jones (@AJ_FI) December 26, 2023
民家付近に落下との報告も
また他のブースターの残骸も、民家の近くに落下したとの報告があったという。
しかも長征3Bの第1段目と4つの側面ブースターには、ロケット・エンジン燃料である「ヒドラジン」と「四酸化窒素」を組み合わせた高濃度推進剤が使用されており、それらの成分は深刻な健康リスクを引き起こす可能性があると言われている。
もっとも中国でロケット・ブースターが居住地付近に落下するのは、これが初めてのケースではない。
2019年にはブースターが打ち上げ後に地球に落下し、家屋を破壊したという。
また中国は、巨大な長征5号ロケットが地球に落下し、宇宙ゴミを引き起こしたとして、何度も世界から批判されてきたそうだ。
沿岸の発射場ではロケットの破片が海洋に落下する可能性があるが、中国の場合、発射場が内陸にあるため、打ち上げ時には住民に通知され、避難が呼び掛けられるという。(了)
出典元:Space.com:Chinese rocket booster falls from space, crashes near house, after satellite launch: report(2023/12/30)