才能ある女性ダンサーがクッキーで死亡。製造元とスーパーが責任を押し付け合う
ダンサーになる夢をかなえた25歳のイギリス人女性。彼女の将来は、アメリカのスーパーマーケットで売られていたクッキーにより奪われてしまった。
ラベルに表示されていなかった「ピーナッツ」
1月11日、ダンサーのÓrla Baxendaleさんは、アレルギーであるピーナッツがふくまれているフロレンティーンクッキーを食べ、アナフィラキシーショックにより命を落とした。
2023年にはダンスイリュージョングループ「Momix」のツアーに参加。2024年もさらなる活躍が期待されていたダンサーだ。
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2018年にニューヨークの名門エイリー・スクールに奨学生として招かれた経歴からも、Órlaさんが将来を有望されていたダンサーだということがわかる。
彼女が口にしたクッキーは、クッキーズ・ユナイテッド社が製造し、スチュー・レオナルド社のパッケージで販売していたもの。スチュー・レオナルド社は、新鮮で確かな品揃えにより信頼されている大型スーパーマーケットだ。
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本来であれば、クッキーのパッケージに、アレルギー物質としてピーナッツが書かれていなくてはならなかったのだが、大豆、小麦、牛乳のみしか記載されていなかった。コネチカット州の消費者保護局は、他にも卵の記載が漏れていたことを1月25日に指摘している。
こうした指摘を受け、賞味期限が2024年1月5日までのフロレンティーンクッキーの自主回収が行われている。対象のクッキーは、2023年11月6日から12月31日まで、スチュー・レオナルドのダンベリー店とニューイントン店で販売されていたという。
製造元とスーパーで責任を押し付け合う
一連の出来事を受け、スチュー・レオナルド社は「製造元から材料が変わったとの連絡を受けていなかった」と説明。しかし、製造元のクッキーズ・ユナイテッド社は、「2023年7月20日に、11人のスチュー・レオナルド社の従業員にメールでお知らせしている」とのプレスリリースを公開した。プレスリリースには、送信先のメールアドレスも一部を伏字にした状態で掲載されている。
また、スチュー・レオナルド社に納品している商品のラベルを公開し、ピーナッツと卵の記載をしていたと主張した。
▼公開されたラベルのひとつ
スチュー・レオナルド社は、コネチカット州消費者保護局らと協力して「表示ミスの原因を特定する」としている。
原因が特定されることに加えて、徹底的な再発防止を願うばかりだ。
▼「栄光の端っこで新年が鳴り響く」。これがÓrlaさんの最期の投稿となった
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(了)
参考:The Guardian「British dancer dies in US after eating mislabelled biscuit containing peanuts」(1/26)
参考:コネチカット州DCP「Food Safety Warning/Recall Update: Stew Leonard’s Florentine Cookies Also Contained Undeclared Eggs」(1/25)
参考:Cookies United「FOR IMMEDIATE RELEASE INCORRECT STEW LEONARD’S PRESS RELEASE」(1/23)
参考:New York personal injury attorneys Blog「Statement from our attorneys on the passing of Órla Baxendale」(1/24)