大統領選挙の投票箱に放火、数百枚の投票用紙が燃やされる【アメリカ】
アメリカでは大統領選挙が近づいているが、今週投票箱が放火される事件が2件起きた。
投票箱に燃焼装置が仕掛けられる
この2件の放火事件は10月28日、オレゴン州のポートランドと、ワシントン州のバンクーバーで起きたとされている。
オレゴン州のポートランド警察によれば、現地時間午前3時30分頃に、投票箱で火災が発生したという。
その後、マルトノマ郡選挙管理課の警備員が出動し、投票箱を消火したそうだ。
投票箱には自発的に燃焼する装置が仕掛けられていたが、警察の爆発物処理班が、その後装置を撤去したという。
3枚の投票用紙だけが破損
ただ投票箱には消火剤も取り付けられており、これが被害を防ぎ、ほぼ全ての投票用紙を保護。3人分の投票用紙だけが、破損したそうだ。
マルトノマ郡選挙管理官のティム・スコット氏はABCニュースに対し、「投票箱内の409枚の投票用紙は無傷で、消火剤のおかげで保存されていた」と語っている。
選挙管理当局は、影響を受けた有権者3人に、代わりの投票用紙を送ると伝えているという。
オレゴン州のラボンヌ・グリフィン・ヴァレード州務長官は「投票箱への攻撃は民主主義に対する攻撃であり、まったく容認できません。この事件の背後にある動機が何であれ、有権者の権利を剥奪しようとするいかなる試みも正当化されない」と述べている。
ワシントン州では数百枚の投票用紙が燃える
一方、ワシントン州のバンクーバーでは、ポートランドで放火が起きた数時間後に、コロンビア川沿いの、トランジットセンターにある投票箱が燃えているのが発見された。
バンクーバーにある投票箱にも、消火装置が設置されていたが、今回はうまく機能せず、数百枚の投票用紙が燃えたという。
クラーク郡の選挙管理人は、10月26日の午前11時以降に、この投票箱に投函した人に、自分の事務所に連絡するよう促している。
A ballot box in Vancouver, Washington, was set ablaze, damaging some of the ballots inside, police said.
The extent of the damage remains unclear. The FBI said it is investigating the incident.
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— ABC News (@ABC) October 28, 2024
実は先週、アリゾナ州のフェニックスでも、米郵便公社の前にある郵便箱が放火され、約5枚の投票用紙が燃やされ、複数が損傷したという。
投票箱については共和党支持者からの批判が高まっており、近年は「ドナルド・トランプ前大統領の2020年の選挙が盗まれた」という右翼の陰謀論の根拠の1つになっているという。(了)
出典元:AP:Fires set in drop boxes destroy hundreds of ballots in Washington and damage 3 in Oregon(10/29)
出典元:ABC News:Hundreds of ballots damaged after ballot box set on fire in Washington state: Officials(10/29)