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ロシアのためにスパイをしていた6人のブルガリア人に、英裁判所が有罪判決

ロシアのためにスパイをしていた6人のブルガリア人に、英裁判所が有罪判決
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イギリスで、6人のブルガリア人がスパイ活動の容疑で拘束され、先日裁判で有罪判決が下された。

 

ヨーロッパ各国で諜報活動

 

ロンドンで行われた裁判で、首謀者のオルリン・ルセフ被告(47歳)は懲役10年8カ月、副官のビセル・ジャンバゾフ被告(44歳)は懲役10年2カ月、またジャンバゾフ被告の元パートナー、カトリン・イワノワ被告(33歳)は懲役9年8カ月を言い渡されたという。

 

また残りの3人、ティホミール・イヴァンチェフ被告(39歳)、イヴァン・ストヤノフ被告(33歳)、ヴァーニャ・ガベロワ被告(30歳)は、今年の3月に有罪が確定し、懲役6年から8年の刑を言い渡されたそうだ。

 

6人はブルガリア人で、今回判決が下された3人は、イギリスやオーストリア、スペイン、ドイツ、モンテネグロで諜報活動を行ったと考えられ、量刑を言い渡した裁判官は、この組織の活動がイギリスの国家安全保障に深刻な脅威をもたらしたと述べた。

 

ロシアの反体制派、政治家などを標的

 

このスパイ組織は、自らを映画『怪盗グルーの月泥棒』のキャラクターに因み、「ミニオンズ」と呼んでいたという。

 

そして彼らは、ロシアの反体制活動家、アレクセイ・ナワリヌイ氏などに対する神経剤攻撃を暴露した2人のジャーナリスト、クリスト・グロゼフ氏とロマン・ドブロホトフ氏に加え、ロシアの反体制派、政治家、そしてドイツの軍事基地で訓練中のウクライナ軍兵士を標的としていたそうだ。

 

今回裁判では、イギリスで初めてロシアの諜報活動の内部事情が明らかにされ、監視活動の計画を記した数千件のメッセージや標的の写真や動画、誘拐・殺害計画などが明らかになった。

 

またこの組織の全員が「金銭目的」で活動しており、彼らは最大100万ユーロ(約1億6000万円)の報酬を、ロシア側に要求していたという。

 

さらに裁判では、ロシア情報機関のためにこの組織を指揮していた海外逃亡中のヤン・マルサレク容疑者に関する、新たな情報も明らかにされた。

 

オーストリア出身のマルサレク容疑者は、金融サービス会社「ワイヤーカード」に関連する詐欺容疑で、ドイツにおいて指名手配されており、現在はモスクワに潜伏しているとみられている。

 

ロンドン警視庁対テロ部隊は、この事件が国内でのスパイ活動の脅威の高まりを示す「明確な例」であるとし、「特定の国が諜報活動を『アウトソーシング(外部委託)』しているという比較的新しい現象を浮き彫りにしている」と述べたという。(了)

 

出典元:BBC:Six Bulgarians jailed for spying for Russia(5/12)

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