インドネシアで地震のさなかに旅客機を離陸させ、乗客を救った管制官が讃えられる
9月28日、インドネシア中部にあるスラウェシ島はM7.5の強い地震に見舞われ、津波も発生し、多くの人々の命が奪われた。
その際、旅客機の離陸を見届けるまで、職場から離れず仕事を続けた、ある管制官が讃えられている。
離陸するまで管制塔に残る
その管制官とは、Anthonius Gunawan Agungさん(21)。彼は当時、パルという街の近くにあるMutiara SIS Al-Jufrie空港の管制塔で勤務していたという。
やがてM7.5の巨大地震が発生。地面が大きく揺れる中でも、Agungさんは管制塔から逃げることなく残り続け、「Batik Air」の旅客機、6231便が離陸できるよう誘導したと言われている。
実際、彼は同僚らが逃げていく中でも管制塔に残り、6231便の進路を確保し、旅客機が無事離陸して空へ飛び立つまで待ち続けたそうだ。
Telah wafat saat menjalankan tugasnya sebagai personel layanan navigasi penerbangan, Saudara Anthonius Gunawan Agung, Air Traffic Controller (ATC) AirNav Indonesia Cabang Palu pada Sabtu (29/09).#RIPAgung #DoaUntukSulteng#PrayforDonggala #PrayforPalu pic.twitter.com/6Wpobp3R7m
— AirNav Indonesia (@AirNav_Official) September 29, 2018
勇気ある行動が讃えられる
しかし地面の揺れは激しく、離陸を確認した後に逃げようとするも、彼は管制塔の4階から飛び降りることを余儀なくされたという。
この結果、Agungさんは足を骨折し、内蔵も損傷。一度は病院へ運ばれるも、別の専門病院へ移送されることとなり、ヘリコプターを待っている間に亡くなってしまう。
その後、現地には津波が押し寄せ、多くの人々が犠牲になったが、そんな中でも管制塔に残って職務を全うした彼の行為は賞賛され、「英雄」と讃えられているそうだ。
航空管制会社「Air Navigation Indonesia」のスポークスマンであるYohannes Sirait氏は、次のように語っている。
「その場に留まろうとしたAgung氏の決断は、彼の命を奪うことになった。その後、街は津波に襲われたが、彼は飛行機に乗っていた全員を救ったと言えるだろう」
#RIPAgung pic.twitter.com/hLLaLRDCCC
— AirNav Indonesia (@AirNav_Official) 2018年9月29日
彼の遺体は土曜日にインドネシア軍兵士によって丁重に運ばれ、管制会社はその後、Agungさんを2階級特進させると発表したという。(了)
出典元:INDEPENDENT:Indonesia tsunami: Air traffic controller ‘gave his life so plane could take off’(9/30)
出典元:CNN:Indonesia salutes air traffic controller who gave his life for others(10/1)