ロシア最大の謎、9人が怪死した“ディアトロフ峠事件”について警察が再捜査開始を発表
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世界では現代科学をもってしても、解明が困難な不可思議な事件が時折起きている。
そんな謎に包まれた事件の一つで、ロシア最大の謎とされる9人の男女が怪死した“ディアトロフ峠事件”をロシア警察が再捜査するとして注目を集めている。
謎に包まれた事件の全容とは
事件の全容はこうだ。
事件が発生したのは60年前、1959年に遡る。この際犠牲となった9人の男女はその多くがウラル工科大学に在学中の学生か卒業生だった。
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彼らは1959年1月23日に出発し、トレッキング(資格取得)を行うため16日間かけてウラル山脈北部の300キロほどの行程を歩むことになっていたという。
この際に隊長を務めたのがIgor Dyatlovさんで、事件の名前は彼の姓から取られたものだ。
一行は最終目的地として予定されていた“Vizhay”と呼ばれる村で電報を送る予定となっていたが、電報が届くことはなかった。
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電報が届けられることもなく帰宅することもないことを周囲が心配し、一行の捜索が開始されたのは2月20日のこと。
この後、悲惨な最後を遂げた一行の顛末が明らかとなると共に、不可解な事実が次々と明るみに出る。
現場に残された様々な謎
捜索開始から6日が経った26日、捜索隊は彼らのテントを発見する。
しかし発見されたテントは引き裂かれたような姿に。
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続いて一行のうちの2人、Yuri DoroshenkoさんとYuri Krivonischenkoさんの遺体がテントから1.5キロメートルほど離れた地点で焚火の横に横たわるようにして発見されるが、2人は寒空の下でありながら下着姿であったという。
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続いて隊長であるDyatlovさんの遺体を含む3人の遺体が発見されるが、残りの4人の遺体は雪が溶ける5月まで発見されることはなかった。
また発見された遺体の中には、骨折をしているものや頭部に大きな傷を負ったもの、さらには舌や眼球を失っているものもあった。
さらに多くの遺体は靴を履いていない状態だったという。
刑事事件として捜査されるも打ち切りに
テントの発見からほどなくした2月末、事件の全容を解明するべく、刑事事件としての捜査が開始される。
しかしそれから3カ月ほどして、事件の捜査は思わぬ形で打ち切られることとなる。
ソビエト連邦下の警察により、事件は“抗いがたい自然の力”によって起きたものとして方付けられてしまったのだ。
尚、事件の文書は1970年代まで極秘として扱われてきたというから、ますます謎が残る。
当然、警察のこのような説明に世論は納得せず、事件後には様々な仮説が立てられることとなる。
それらはエイリアンによる襲撃説から周辺に住む先住民のマンシ族が殺害したという説、さらには秘密兵器の情報が漏れることを防ぐために殺害されたという説など非常に多岐にわたり、75ほどもの仮説が立てられたとのことだ。
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新たな捜査では何が行われるのか
一方、今回新たに行われる捜査においては、検証される仮説はわずか3つに絞られるとのこと。
これについてロシアの検事総長代理人を務めるAlexander Kurennoi氏は、「その全てはどうも自然現象に関連しているようだ」とする一方、「犯罪は論外だ」という。
「これが犯罪であったことを示す証拠は、間接的なものを含んでも1つも存在しない」と断言すると共に、悲劇が雪崩かハリケーンによってもたらされたものであるという考えを示した。
また事件から60年という月日を経た今捜査を開始するのは、事件の当事者に関係する人の希望に加え、メディアや世論が真相究明を望んでいるため、との理由を挙げている。
来月3月にも検察官や専門家らが事件発生現場を訪れ、調査を開始させるのことだ。現場では犯罪科学を含む9つの実験もが行われるという。
9人の若者が悲惨な形で命を落としたディアトロフ峠事件。今回の捜査によって事件の全容が解明されることを望むばかりだ。(了)
出典:CNN:Russia reopens investigation into 60-year-old Dyatlov Pass mystery(2/4)