【ロシア】原子力エンジンを使ったミサイル実験で爆発、一時放射能レベルが16倍に上昇
先日、ロシアにあるミサイルの実験場で爆発事故が起き、付近の放射能レベルが急上昇する事態になったのをご存知だろうか。
5人の科学者が死亡、3人負傷
その事故が起きたのは8月8日、場所はロシア北部のアルハンゲリスク州、白海に面した軍事施設「ニョノクサ実験場」とされている。
ロシア国営原子力機関「Rosatom」によれば、ニョノクサ村の近くにあるこの実験場では当時、原子力推進式のロケットエンジンのテストが行われていたという。
しかし実験中にロケットが爆発。これにより5人の科学者が死亡、3人が負傷した。
また「ニョノクサ実験場」から東へ47km離れた、18万人が暮らす港町、セベロドビンスクでは放射能レベルが一時急上昇したと言われている。
線量は通常の4倍から16倍
ロシア水文気象環境監視局によれば、セベロドビンスクにある6つのモニタリングポストでの計測結果では、通常のガンマ線の放射線量が0.11マイクロシーベルト(毎時)のところ、4倍から16倍の線量にまで達したという。
また1つのポストでは最大で1.78マイクロシーベルトに達し、他のモニタリングポストでも通常よりも線量が高かったそうだ。ただしこれらの線量は、人体に影響はないものとされている。
さらに当初、セベロドビンスクの当局は事故後40分間、通常より高い放射線量が続いたと発表したが、水文気象環境監視局が調べた結果、高い線量は約2時間30分近く続いたことが明らかとなった。
この影響により、地元の人々は「ヨウ素」を求めて薬局に殺到。しかしセベロドビンスクやArkhangelskの街にある薬局では、「ヨウ素」が品切れになってしまったという。
ロシア政府のスポークスマンはまだ、今回のテストの詳細については語っていない。(了)
出典元:BBC:Russia says rocket explosion caused 16-fold radiation spike(8/14)