アマゾン火災で焼け出されたアルマジロに水を与える写真が、ブラジルのSNSで拡散中
ブラジルのニュースメディアによれば、アマゾンの森林火災で焼け出されたアルマジロに消防隊員が水を与えている写真がブラジルのSNSで拡散され、アマゾン火災を象徴するシンボルとなっているらしい。
火災原因を調査していた消防隊員
今年になってブラジルの熱帯雨林では、昨年よりも84%多い約7万4100件の火災が発生しており、国内外で大きな問題となっている。
その写真が撮られたのは、ブラジル西部マトグロッソ州の州都クィアバから230kmほど離れた場所。
軍が統括する消防隊「Corpo de Bombeiros Militar」の隊員であるPedro Ribas AlvesさんとEraldo Mouraさんが、このあたり一帯の焼け野原を調査していたところ、生き残ったアルマジロの子供が現れた。その時のことを、Alvesさんはメディアにこう話す。
私たちは火災の原因を調べるために派遣されました。調査が済んで帰ろうとしたところで、このアルマジロを発見したのです。水を欲しがっているかもしれないと思い、私たちは立ち止まりました。アルマジロは抵抗しませんでした。とても弱っていたからです。
2人はそれまで766ヘクタールのエリアを調査したが、火から逃げ遅れて黒焦げになった鳥や小動物の死骸をたくさん見たという。写真のアルマジロは、生き残っていた数少ない動物の一匹だ。
野生の本能を忘れたアルマジロ
アルマジロを見つけた2人は、最初、携帯していたチューブ付きの水のパック(ハイドレーション・パック)から水を飲ませようとした。しかしアルマジロはチューブから水を飲まなかったので、ガラスのコップに入れて飲ませたとのこと。
野生のアルマジロが人の手のコップから水を飲むのは非常に珍しいこと。しかしAlvesさんはこう言う。
私がコップの水を用意すると、彼(アルマジロ)は飲みました。野生の本能を完全に失っていたのです。それほど生き残ることに必死だったのでしょう。
Alvesさんは最初、この写真を公開する気はなかったらしい。ところが、上司がインスタントメッセンジャーアプリ「WhatsApp」でAlvesさんの家族に写真を送ったところ、そこから拡散されたそうだ。
アマゾン協力条約機構(ACTO)によれば、アマゾンには250万種の昆虫、2500種の魚、1500種を超える鳥、1000種を超える爬虫類や哺乳類が生息しているという。また、植物の種類は3万種以上になるとのこと。(了)
出典元:BBC News Brasil:Eleitor de Bolsonaro, bombeiro que deu água a tatu diz que foto viral foi tirada de contexto(8/23)
出典元:Metro:Firefighter gives armadillo cub water after Amazon home destroyed in fire(8/23)