オーストラリアで森林火災が発生、350匹のコアラが大量死の可能性
オーストラリアで森林火災(ブッシュファイアー)が発生し、多くのコアラが犠牲になった可能生が指摘されている。
生存確率50%ならば350匹が死亡か
その火災が発生したのは10月25日、場所はニューサウスウェールズ州、シドニーの北東約200マイル(約321km)の地点とされている。
火災の原因は落雷とみられ、その後火災は燃え広がり、2000ヘクタール以上を焼き尽くした。また火事はポート・マッコリー地区の南、キャシー湖やインズ湖周辺のエリアでまだ燃え続けているとか。
保護活動家によれば、ニューサウスウェールズ州の森林の3分の2は、コアラの主要な生息地とされているという。
このため「ポート・マッコリー・コアラ病院」のSue Ashton院長は、早く生き残ったコアラの調査ができることを望んでいるとした上で、次のように語っている。
「もしコアラの生存確率が50%ならば、それは約350匹分に相当します。つまりそれだけ今回の火災は破壊的なのです。私たちはそれほど悪くなっていないことを望んでいますが、炎の強さと、火事の時のコアラの行動からして、あまり多くの希望を抱いてはいません」
下の写真はショッキングなため、閲覧にはご注意いただきたい。
木の高い部分に登る
コアラは山火事の際、木の高い部分へ上り体を丸めて凌ぐと言われており、もし火が素早く通り過ぎていれば、生き残っている可能生はあるという。
ただコアラが炎を避けられたとしても、燻っている木から下りようとした時に、手足やかぎ爪が火傷して、再びうまく木に登れなくなってしまうそうだ。(下のツイートは、9月11日に投稿されたもので、母親が子供を抱いている場面)
A mother koala and her joey, who were rescued from a devastating wildfire in Queensland, Australia are recovering at an animal rehabilitation centre.
— The Weather Network (@weathernetwork) September 11, 2019
またコアラは公式には絶滅危惧種に指定はされていない(各州により危急種または希少種となっている)が、好んで暮らしている海岸沿いの森林は、都市開発などで切り開かれているそうだ。
さらにコアラは一般的な交配(近親交配ではない)を行うとされているが、孤立している生息域が増えているため、近親交配が進み病気も蔓延しており、ますます苦境に立たされているとか。
実際、2018年にはニューサウスウェールズ州にはコアラが2万弱のしかいないとの報告があり、2050年までには絶滅に直面する可能性があるとも伝えられている。
「オーストラリア・コアラ基金」はオーストラリア全土にいる野生のコアラの数を、約4万3000匹から10万匹と見積もっており、「絶滅危惧種」に格上げするべきだと警告しているそうだ。(オーストラリアには全国レベルでのコアラを保護する法律はない)
オーストラリアでは平年よりも気温が高く、また降水量が少ないために、森林火災が始まる時期が早まっており、東海岸の多くが干ばつに見舞われているという。(了)
出典元:METRO:Around 350 koalas feared burned to death in Australian bushfires(10/30)
出典元:The Guardian:Hundreds of koalas feared burned alive in out-of-control bushfire near Port Macquarie(10/30)
出展元:DW:Hundreds of ‘rare’ koalas feared dead in Australian bushfire(10/30)