セーラム魔女裁判で死刑を宣告された女性、3世紀以上かかり有罪が取り消される
先日、魔女裁判にかけられた女性の有罪判決が、記録上正式に取り消された。
セーラム魔女裁判で死刑
その女性とは、すでに亡くなっているエリザベス・ジョンソン・ジュニアさんだ。
彼女は1693年に魔女として有罪判決を受け、セーラム魔女裁判で死刑を宣告されたという。
しかし329年後の2022年5月26日、マサチューセッツ州議会は、エリザベスさんの有罪判決を取り消し、彼女の名誉を正式に回復させた。
なぜか彼女だけ記録が訂正されず
魔女狩りと言えばヨーロッパが有名だが、アメリカのマサチューセッツ州でも1692年から1693年にかけて、「セーラムの魔女裁判」が行われたという。
村に悪魔にとりつかれた人が出たと報じられ、魔女が関与しているとの迷信が流布。これによりセーラムと近隣の町の20人が殺され、何百人もの人々が魔女として告発されたそうだ。
エリザベスさんも22歳の時、魔女裁判に巻き込まれ、絞首刑を宣告されてしまう。しかし当時のウィリアム・フィリップス州知事はその後、セーラムで起きた重大な魔女裁判の誤審が明らかになったため、彼女の処分を取り消したという。
そして彼女だけでなく、エリザベスさんの実母や牧師の娘など、何人もの容疑者が公式に釈放され、有罪判決も覆された。ただなぜか、エリザベスさんの名前だけが、記録を訂正する立法措置に含まれず、法律上名誉が回復されないままだったという。
中学生が調べ、働きかける
そこで2021年、ノース・アンドーバー中学校の生徒らが公民の授業で、エリザベスさんの冤罪を晴らすために必要な立法措置について調べた結果、上院議員らが再考することに同意した。
そして民主党のダイアナ・ディゾグリオ上院議員が提出した法案が、承認され、エリザベスさんが法律上正式に赦免され、名誉が回復されたという。
エリザベスさんは、容疑を晴らした最後の魔女になるそうだ。「セイラムの魔女裁判」については、Gigazineが詳しく動画を紹介している。(了)
出典元:ABC News:329 years later, last Salem ‘witch’ who wasn’t is pardoned(5/27)